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どんな困難にも挑むことをトヨタが宣言、全ての人に移動の自由を提供するために東京モーターショー 2017

トヨタ自動車 副社長のDidier Leroy氏が、「第45回東京モーターショー 2017」において、将来に向けた製品や技術の戦略について説明した。

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将来に向けた製品や技術の戦略について語ったトヨタ自動車 副社長のDidier Leroy(ディディエ ルロワ)氏(クリックして拡大)

 トヨタはクルマを愛しています――。トヨタ自動車 副社長のDidier Leroy(ディディエ ルロワ)氏が、「第45回東京モーターショー 2017」(プレスデー:10月25〜26日、一般公開日:10月28日〜11月5日)において、将来に向けた製品や技術の戦略について説明した。

 「Mobility for All(全ての人に移動の自由を)」という大きな目標に向けて、人工知能(AI)とコネクテッドカー、自動運転がカギを握る領域になるという。また、電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)の両軸で電動化を進めていく方針を示した。さらに、クルマが愛され続けるための「楽しさ」を体現したコンセプトカーも公開した。

「楽しくなければクルマじゃない」と紹介した、楽しさを体現するコンセプトカー「GR HV SPORTS concept」(左)と「Tj CRUISER」(右)(クリックして拡大)

自由に移動する喜び

 移動の自由の実現に取り組むのは、東京オリンピック・パラリンピックのパートナーシップをきっかけとしたグローバル企業としての挑戦と位置付ける。身体的、社会的な限界に挑戦して困難を乗り越えるアスリートを手本とし、自動車業界が大きく変化する転換期の中での自らの変革に挑む。ルロワ氏は「自由に移動できる時、どんなことも可能になる。だからこそ、クルマは単なる機械にとどまらず、愛する対象になる」と語った。

 移動を助け、さらに便利にする技術でカギとなるのは、AI技術とコネクテッド技術だとする。これらの技術を組み合わせたAIエージェント「Yui」を搭載しているのが「Concept-愛i」シリーズだ。ルロワ氏は「AI技術で新しい価値を創造するには、コネクテッド技術とビッグデータが不可欠だ」と説明した。

Concept-愛iのシリーズを披露した。クルマが入れない場所での移動の自由を提供する(左)。車いすユーザーでも使いやすくしたモビリティも(右)(クリックして拡大)

 コネクテッド技術は2018年に投入する新型「クラウン」から普及を加速させる。2020年までに、日米のほぼ全ての乗用車に「データ・コミュニケーション・モジュール(DCM)」を搭載し、トヨタ自動車のクラウド基盤「モビリティ・サービス・プラットフォーム」につなげていく。

 トヨタ自動車が、「ショーファー(自動運転)」と「ガーディアン(高度安全運転支援)」の両面で、ドライバーとクルマが助け合う「モビリティ・チームメート」として自動運転技術の開発を進めていることはこれまでにも発表している。いずれも、全ての人に移動の自由を提供する技術だと位置付けている。2020年には高速道路向けに、2020年代前半には一般道に向けたシステムを実用化する。

 レクサスブランドでも、フラグシップセダン「LS」の将来像となる自動運転技術を搭載したコンセプトモデル「LS+ Concept」を披露した。実用化目標は、ルロワ氏のスピーチと同じ時期を挙げた。LS+ Conceptの高速道路での自動運転システムは、高速道路の入り口から目的地のランプを降りるまでの間に動作する。合流や分岐、追い越しや車線変更は車両から提案し、ドライバーが承認すると制御を実行するとしている。無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)にも対応するなど、ルロワ氏が重要性を述べたコネクテッド技術も採用する。

コンセプトモデル「LS+ Concept」(クリックして拡大)

全固体電池は200人体制で開発、FCバスは100台超が東京に

 電動化に関しては、EVが近い将来において重要なソリューションの1つとなることと、FCVの重要度も変わらないことを紹介した。EV向けには、200人を超える技術者が2020年代前半の実用化に向けて全固体電池の開発を進めている。ルロワ氏は全固体電池がEVの走行距離を飛躍的に改善する可能性を持つ「ゲームチェンジャー」であるとコメントした。

 FCVに関しては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、2018年以降100台を超えるFCバスを東京都心で運行する計画を明らかにした。

プレミアムFCVの可能性を示した「Fine-Comfort Ride」(左)。FCバスコンセプト「SORA」(右)(クリックして拡大)

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