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明電舎が作業現場での労働災害防止にIoTソリューション導入:製造IT導入事例
明電舎は、IoTで作業者を見守り、作業現場での労働災害を防止する、富士通の「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE 安全管理支援ソリューション」を水処理施設や変電所など10カ所の作業拠点に導入した。
明電舎は2017年9月8日、IoT(モノのインターネット)で作業者を見守り、作業現場での労働災害を防止する、富士通の「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE 安全管理支援ソリューション」を採用したと発表した。同年6月より、水処理施設や変電所などの作業拠点約100カ所のうち10カ所に導入した。
同ソリューションは、作業者が装着した「バイタルセンシングバンド」で温湿度や1分ごとの拍数(パルス数)を計測し、センサーアルゴリズムを用いて作業現場での熱ストレスレベルや身体負荷レベルを推定する。その結果が事前に設定した通知条件に該当した場合、現場責任者へアラームを出す。
現場責任者は作業者の状態を常時把握できるため、急な体調変化にも素早く対応可能になる。また、遠隔地からでも複数の作業員の体調の確認、必要時の休憩指示などが出せる。経営層は、データから各現場の作業者の状況を総合的に把握し、働きやすい環境の改善施策の検討が行える。
両社では今後、得られたデータを活用して高い熱ストレスが頻繁に生じる期間とそうでない期間との比較/分析を行い、より安全な作業現場の実現に向けた施策を検討していく。
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