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ロボットの将来像は「背中を見て仕事を覚える」世界へ協働ロボット(2/2 ページ)

2020年に開催される日本発のロボットチャレンジ「World Robot Summit」に向け、記念シンポジウムが都内で開催された。WRSの実行委員会諮問会議 委員であるカリフォルニア大学サンディエゴ校 コンピュータ理工学部 教授のヘンリック・クリステンセン氏が登壇し「ロボティクスの未来」をテーマに、自律型ロボットの将来像などについて解説した。

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背中を見て仕事を覚えるロボット

 工場など製造現場で働く人間は将来的には徐々に減り、ロボットがこうした製造作業の多くを肩代わりしていくようになると、お互いにやりとりができる人間型のロボットを展開していく必要が出てくる。ただ、こうしたロボットを従来のようにプログラミングをして活用するという形であると、その付帯作業が膨大となり、とてもではないが、代替作業を任せるようなレベルには至らない。

 そういう意味では、ロボットは従来型のプロミングを使うのでなく「作業を一緒にすることで、作業のやり方を学習するようになることが今後のポイントとなる」とクリステンセン氏は指摘する。「例えば、料理を作るときに、教えるのではなく一緒にその料理を作ることで手伝った人が料理を覚えるというようなことだ。作業をロボットに見せることでロボットが学ぶということが理想である。スマートアシスタントというようなものだ。こうしたインテリジェンスを持つスマートロボットを開発していかなければ、ロボットによる社会的課題解決にはつながらない」(クリステンセン氏)としている。

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ABBの双腕ロボット「YuMi」。人と共に働くロボットは現在も増加している。

自動運転車や介護、物流での活躍

 自動運転車ついても同様である。道路には1台だけ自動車が走っているという状況は少ない。しかも天候により道路状況や運転環境も変わってくる。現在、ようやく高速道路を完全にハンドルを持たずに運転できる自動運転車が製品として出てくる段階を迎えた。大手自動車メーカーは相次いで自動運転車を発売するとしており、「2025年には自動運転車は一般的になり得る。もしかすると今生まれた子供は自動車を自分で運転する経験を持たない可能性もある。それが当たり前のものになると自動車を買わなくても道路を走り回っている自動車が乗せていってくれるという社会になるかもしれない。それぐらい変わってくる」とクリステンセン氏は予想する。

 物流サービスの問題も出ている。病院やホテルの配送について、例えば、病院内で患者に食事をロボットが運ぶようになれば、その分、看護師は患者のケアに集中することができる。「数年後には、デリバリーサービスは自動運転車に3Dプリンタを装着し、ボタンを押せば、その場で製造するようになる」(クリステンセン氏)とする。

 介護に関連してもロボットが活躍しそうだ。高齢化により身体の機能が衰えても自宅でそれをカバーしてくれる友人のようなロボットが登場する可能性がある。「高齢化に伴い、身の回りの世話をしたり、社会参加もバックアップしたりしてくれるロボットがあれば、米国では人間の介護人が自宅訪問してケアしてもらう程度の料金で、それらのロボットを手に入れることができる」とクリステンセン氏はロボットの可能性について述べている。

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