信号灯で製造現場を見える化、古い機械でも簡単にIoT活用を実現:FAニュース
ジェイテクトは設備に設置されている信号灯を監視し、設備や機器の稼働状態を簡単に見える化する「JTEKT-SignalHop」を発売する。
ジェイテクトは2017年8月28日、設備の稼働状態を表示する状態ランプ(信号灯)を監視し、稼働状態を見える化する「JTEKT-SignalHop」を同年9月1日に発売することを発表した。
ジェイテクトが新たに発売する「JTEKT-SignalHop」は、工場内の製造機器や設備などに設置されている信号灯に設置するだけで、「赤」「黄色」「緑」などの信号灯のステータスを監視できる機器である。無線によるデータ通信で離れた場所からでも信号灯の点灯状態をリアルタイムに把握できる。
「工場の見える化」への取り組みでは、古い機械で通信ができないケースや、異種システム間などでデータの一括取得ができないケースなどがハードルとなっていた。「JTEKT-SignalHop」はこうした障害を解決し、既存の設備でも簡単に、さらに負担を小さく、設備の稼働状況の把握を行える。
あらゆるメーカー製の信号灯に対応できる機構となっており既存設備の信号灯などを交換する必要がなく、さらに送信機は電池で駆動するため外部からの電源線などは必要ない。接着するだけなので工場の稼働日にも取り付け可能で、電気工事者への手配なども不要だ。設備の稼働状態は送信機から受信機へ無線で自動転送され、接着するだけで簡単に工場の見える化を実現できる。
「JTEKT-SignalHop」受信機は最大50台の送信機に対応可能。さまざまな見える化機能を搭載しており、設備の稼働累積時間、異常発生回数、異常発生累積時間などが簡単にPCなどで閲覧できる。またデータ保存(CSVファイル)も可能である。
価格(税別)は、送信機が一般環境仕様品で4万円、耐環境仕様品で(IP55等級)で5万円。受信機が標準仕様品で50万円、高機能仕様品が65万円。販売目標は送信機が年間500台、受信機が年間50台としている。
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