深層学習や機械学習は“過度の期待のピーク期”、ARは“幻滅期”のどん底に:製造マネジメントニュース
米国の調査会社Gartnerは、「先進技術におけるハイプサイクル2017年版」を発表した。調査結果によると深層学習や機械学習などが「過度の期待のピーク期」を迎えていることを明らかにした他、ARが「幻滅期」のどん底を迎えていることを指摘した。一方でVRについては「啓蒙活動期」の中盤に入っており、もうすぐ「安定期」を迎える兆しを見せているとした。
米国の調査会社Gartner(以下、ガートナー)は2017年8月15日(現地時間)、「先進技術におけるハイプサイクル2017年版」を公開した。
ガートナーのハイプサイクルは2000を超えるテクノロジーを119の分野にグループ化し、その成熟度、企業にもたらすメリット、今後の方向性に関する分析情報を図で表したもの。先進的な技術が「大きな期待」「幻滅」「最終的な安定普及」といった共通のパターンで定着することから、それぞれの技術がこのハイプサイクルのどこに位置するのかを示した調査資料だ。1995年からグローバル版を展開している。
“過度の期待のピーク”は「深層学習」や「機械学習」
「先進技術におけるハイプサイクル2017年版」では、製造業により深く関わる技術領域では、2015年版や2016年版と大きな変化はなく、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)関連技術など、同じ技術革新の波が続いている状況を示しているといえる。
ガートナーでは、「AI Everywhere(どこでもAI)」「Transparently Immersive Experiences(透明性があり没入感のある経験)」「Digital Platforms(デジタルプラットフォーム)」の3つが新たな技術群の特徴だとしている。
「過度の期待のピーク期」の頂点にあるのが「深層学習」と「機械学習」「コネクテッドホーム(スマートホーム)」である。また「自律運転車」や「スマートロボット」なども引き続き、2016年度とそれほど変わらない位置にある。その他では「エッジコンピューティング」などが新たに「過度の期待のピーク期」入りをし、IoTやスマート化などに関する技術領域は、ここ3年間変わらず高い関心を維持し続けているといえる。
一方で「過度の期待のピーク」を1年で一気に登って降りたのが「ブロックチェーン」である。仮想通貨だけでなくIoTのキーテクノロジーとして注目を集めた2016年はまだ「過度の期待のピーク期」に入ったところだったが、わずか1年で「幻滅期」直前の状態まで進んでいる。同様に商用無人航空機(UAV、ドローン)も、駆け足で「過度の期待のピーク期」を通り抜け「幻滅期」に入ろうとしている。これらの技術は、技術的には注目されているが、規制面など技術以外の領域で進捗度が変化する状況にあることから「思ったほど進まない」という印象が強いようだ。
※)関連記事:機械学習は“過度の期待”のピーク、自律走行車は“幻滅期”の一歩手前
着実に安定化に向かうARとVR
「AR(拡張現実)」については2017年度版では、「幻滅期」のどん底の状況である。しかし、2016年度版では下降傾向にあった中で、着実に「安定化」に向けて進んでいるといえる。一方で「VR(仮想現実)」は「啓蒙活動期」に入ったところだったが、それが少し進んだ結果となっている。まだもうしばらくかかりそうだが「生産性の安定期」に入れそうなところまで来ている。
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