ニュース
長野県に半導体製造装置工場を新設、IoTや自動車領域などの半導体需要増に対応:工場ニュース
半導体製造装置メーカーのディスコは新たに長野県茅野市に半導体製造装置の工場を開設することを決めた。
半導体製造装置メーカーのディスコは2017年7月31日、生産能力増強を目的に、長野県茅野市に長野事業所・茅野工場を新設することを決めたと発表した。2018年4月に開設予定で、今後順次約550人の従業員を採用する計画としている。
IoT(モノのインターネット)や自動車、医療分野など半導体の活用領域や使用量は拡大を続けており、今後は半導体製造装置のさらなる需要拡大も見込まれている。ディスコでは、広島県呉市の広島事業所・桑畑工場で製造棟の拡張などを進めているところである。ただ桑畑工場では主に精密加工ツールの需要拡大に対応するもので、半導体製造装置の製造スペースが将来的に手狭になる可能性があった。さらに、ディスコの製造拠点は広島県呉市の桑畑工場、呉工場に集中しており、BCM(事業継続管理)の観点から被災リスクを分散する必要性があった。これらの背景から、新たに長野事業所・茅野工場の開設を決定したという。
建屋については現在子会社であるダイイチコンポーネンツが製品製造で使用中のディスコ茅野工場を使用する計画。まずはダイシングソーの一部機種を製造する計画とし、桑畑工場の現在の生産能力と合わせるとマニュアルダイシングソーの生産能力は約1.5倍となる見込みである。ダイイチコンポーネンツが製造する半導体製造装置用の主要部品や周辺機器などディスコ向け製品は今後ディスコ長野事業所・茅野工場で製造するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ナノスケールのちりの影響を抑制、半導体製造装置が目指すIoT活用
「SEMICON Japan 2016」のIoTイノベーションフォーラムで登壇した東京エレクトロン執行役員の西垣寿彦氏は、半導体製造における“ちり”の管理と、IoTを使った生産性向上の取り組みについて紹介した。 - IoTデバイスに最適なプラズマダイシング、パナソニックが実証センターを開設
パナソニック ファクトリーソリューションズ(PFSC)は、次世代のダイシング技術「プラズマダイシング」の普及を促進するため、同社本社敷地内(大阪府門真市)に「プラズマダイシング実証センター」を開設した。需要拡大が見込まれるIoT(モノのインターネット)向けデバイスの製造に最適だという。 - 「全ての工程を日本国内で」――日本の技術力を注ぎ込んだiPhoneケースとは
アパレル製品やiPhoneケースなどの企画販売を手掛けるDAQが2014年5月29日に発表した、ジュラルミン製iPhoneバンパー「SQUAIR Duralumin Bumper Quattro for iPhone 5s/s」。非常に高級な部類に属するiPhoneバンパーだが、そこには日本の高い技術力を生かした“Made in Japan”のモノづくり精神が込められていた。 - 3Dプリンタの“脱・試作”は日本式モノづくりでこそ生きる――GE 刈羽工場
“夢の製造装置”として期待を集める3Dプリンタ。しかし、描いた夢とは裏腹に、いまだに20年前から定着する試作品用装置の域を抜け出せずにいる。こうした中でいち早く金属3Dプリンタでの最終製品製造に取り組む工場がある。新潟県刈羽郡刈羽村のGEオイル&ガス 刈羽事業所だ。 - スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。 - 海外展開でもうかる企業は一部だけ!? 日系企業が国内生産にこだわるべき理由
長年生産管理を追求してきた筆者が、海外展開における「工場立地」の基準について解説する本連載。4回目となる今回は、あらためて日本国内での生産の価値とその可能性について解説する。