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IoTデバイスに最適なプラズマダイシング、パナソニックが実証センターを開設FAニュース(1/3 ページ)

パナソニック ファクトリーソリューションズ(PFSC)は、次世代のダイシング技術「プラズマダイシング」の普及を促進するため、同社本社敷地内(大阪府門真市)に「プラズマダイシング実証センター」を開設した。需要拡大が見込まれるIoT(モノのインターネット)向けデバイスの製造に最適だという。

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 パナソニック ファクトリーソリューションズ(PFSC)は2016年10月12日、次世代のダイシング技術「プラズマダイシング」の普及を促進するため、同社本社敷地内(大阪府門真市)に「プラズマダイシング実証センター」を開設したと発表した。

PFSCが開設した「プラズマダイシング実証センター」
PFSCが開設した「プラズマダイシング実証センター」。床面積は230m2(うちクリーンルームは160m2)で、プラズマダイシングの前後に必要な装置、材料の他、回路形成済みウエハーを薄く加工するバックグラインダーも間もなく導入する予定(クリックで拡大) 出典:PFSC

 半導体製造プロセスは、シリコンウエハー上に回路を形成する前工程、回路形成済みのウエハーをダイに分割/パッケージングしてプリント基板上に実装できる状態にする後工程から成る。ダイシングは、後工程でウエハーを1個ずつのダイに分割する工程となる。従来は、砥石でウエハーを切断するブレードダイシングが主流で、近年はレーザーを用いるレーザーダイシングも一部利用されるようになっていた。

 しかし、ブレードダイシングやレーザーダイシングでは、ダイ分割の際にダメージが加わるため、ダイの強度を確保するのが難しい。特に、ダイサイズ0.4×0.2mmなど小型化が進んでいるIoT(モノのインターネット)分野向けのデバイスや、高画素化するイメージセンサー、高容量化のために薄型化しているメモリなどでは、よりダメージの少ないダイシング技術が求められていた。

半導体製品は薄く、脆く、小さくなっているブレードダイシングやレーザーダイシングにはさまざまな課題がある 半導体製品は薄く、脆く、小さくなっている(左)。これらの半導体製品を加工する際に、既存のブレードダイシングやレーザーダイシングにはさまざまな課題がある(右)(クリックで拡大) 出典:PFSC

 今回PFSCが実証センターを開設したプラズマダイシングは、“ダメージフリー”をうたう次世代ダイシング技術であり、今後の需要拡大が見込まれている。同社は2008年からコンセプト装置を提案するなど業界内での技術展開で先駆けており、2014年には量産対応装置の「APX300」も市場投入した。

 「ここ1〜2年でプラズマダイシングに対する引き合いが大変強くなってきた。ただし、従来のダイシングとは大きく異なるため、評価や導入に当たっては、ユーザー企業に加えて、周辺装置や材料のメーカーなどのパートナー企業との連携が不可欠。今回開設した実証センターでは、ユーザー企業にプラズマダイシングを評価していただくだけでなく、パートナー企業との連携の基盤にもしていきたいと考えている」(PFSC マイクロエレクトロニクスディビジョン プロセス機器部 部長の有田潔氏)という。

プラズマダイシングの利点プラズマダイシング導入時の課題 プラズマダイシングの利点(左)と導入時の課題(右)(クリックで拡大) 出典:PFSC

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