「AIoT」を社外に広げるシャープ、強みは音声対話技術にあり:製造業がサービス業となる日(2/2 ページ)
シャープは、AIとIoTを組み合わせた「AIoT」を今後の成長に向けた事業の柱の1つに据えている。「ソフトバンクワールド 2017」の講演に登壇したシャープ IoT通信事業本部 IoTクラウド事業部長の白石奈緒樹氏は、AIoTを自社製品に応用するだけでなく、社外顧客にも「AIoTプラットフォーム」として広く展開していく方針を示した。
マンション向けIoTソリューション「つたえるーむ」に「AIoT」を提供
COCORO+に代表されるこれら家電製品群に用いられているAIoTプラットフォームは、家電を人工知能化するAIを形作る「音声対話」「データセンシング」「インテリジェンス」、家電をクラウドにつなぐIoTである「AIoTモジュール」「WebAPI」から構成されている。
そしてコンシューマー向けのCOCORO+で培った知見をてこに、AIoTプラットフォームを社外に提供する取り組みも始まった。COCORO+の鍵になる音声対話機能は「音声対話ソリューション」としての展開を始めている。「組み込み、アプリ、ロボットというさまざまな形で実装できるようにしている」(白石氏)。
2017年7月には、インターネット回線サービスのアルテリア・ネットワークス、インターフォンのアイホン、デジタルドアロックのアッサアブロイとともに、マンション向けIoTソリューション「つたえるーむ」を発表している。AIoTプラットフォームと各社の住宅設備をつなげて、鍵の開け閉めやインターフォンの呼び出しといった普段の行動を通じて、マンションに住む家族がより安心に暮らせるようにするサービスである。
シャープは、つたえるーむにおいて、AIoTプラットフォームに加えてユーザーとの接点となるコミュニケーションアプリ「ココロボ〜ド」も提供している。
この他にも、AIoTプラットフォームをCRM(顧客関係管理)に展開することも想定している。白石氏は「音声対話技術にAIを加えて、単なる顧客管理からロイヤルカスタマーの獲得につながる新しいCRMシステムの提供につなげたい」と述べている。
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