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製造業IoTのユースケースを共有へ、IVIとIICが初の共同イベント製造業IoT

「つながる工場」実現に向け取り組みを進めるIVIと、米国のグローバル企業を中心に設立され産業用インターネットの社会実装に取り組むIICは、初めて両団体で共同イベントを開催。それぞれの生産現場におけるIoTの活用事例を紹介し合った。

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 日本のモノづくりの良さを生かした「つながる工場」実現を目指す日本のインダストリアルバリューチェーンイニシアチブ(IVI)と、米国のグローバル企業を中心に設立され産業用インターネットの社会実装に取り組むインダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)は2017年6月8日、初めて両団体での共同イベント「ユースケース共有セミナー」を開催した。

2017年4月のハノーバーメッセで連携を発表

 IVIとIICは2017年4月にドイツのハノーバーで開催された産業技術の展示会「ハノーバーメッセ」で、連携を発表した※)

※)関連記事:製造業IoTの成功事例共有でタッグ、IVIがIICと連携

 具体的な連携項目としては、以下の5つの点を挙げている。

  1. ユースケースの共有
  2. IIoTのアーキテクチャに関する情報の共有
  3. 製造業におけるIIoTベストプラクティスの確立と共有
  4. 共同テストベッドの実施に向けた協業
  5. その他活動における相互協力の推進

 その中で最も期待されているのが、ユースケースの共有である。IICでは活動の中で実証の場となる「テストベッド」の創出を最も重要な活動の1つとして位置付けており、世界でさまざまなIoTの活用事例を集めている。一方で、IVIはもともと日本の現場力を生かした「緩やかな標準」を軸とした活動を進めており、現場の困りごとから生まれた現実的な問題解決を目的としており、現場に即した事例が作りが進んでいることが特徴である。こうした成功事例を共有することで相互に刺激を与え合い、産業用IoTにおける成功の形をより多く作り上げることを目指している。

IVIから4つ、IICから3つの事例を発表

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IVI理事長の西岡靖之氏

 今回はその第一歩として、両団体の事例を共有するイベントを開催した。

 IVIからは、東芝、CKD、マイクロネット、NECが参加した「みんなの予知保全」(WG-2K02)、トヨタ自動車、ジェイテクト、オムロン、富士通、パナソニック、テービーテック、マツダ、明治電機工業が参加した「人と設備が共に成長する工場モノづくり改革」(WG-2J01)、今野製作所、由紀精密、電化皮膜工業、海内工業、エー・アイ・エス、西川精機製作所などが参加した「中小企業事例」(WG-2H01、WG-2H02)、イトメン、NEC、大竹麺機、中村留精密工業、三菱電機、ニコン、NTTコミュニケーションズ、サトー、アビームコンサルティング、アビームシステムズが参加した「自社製品販売後のサービス付加価値向上」(WG-2M01)の4つの事例を紹介した。

 一方でIICからは、富士通の「Factory Operations Visibility and Intelligence Testbed」、東芝の「Deep Learning Facility Testbed」、日立製作所の「Factory Automation Platform as a Service Testbed」という日本企業が関わる3つのテストベッドでの取り組みが紹介された。

 IVI理事長の西岡靖之氏は「連携の覚書を結んでから1カ月半という短期間で、共同イベントを開催することができた。『つながる工場』実現のためには企業の枠組みを超えた連携をすすめていかなければならない。今後はさらにリファレンスアーキテクチャのすり合わせなど連携の幅を広げていきたい」と述べている。

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