「ソニーも最初は町工場だった」IoT革新は中小製造業が起こす:製造業×IoT キーマンインタビュー(1/4 ページ)
米国大手企業が中心となって設立し、現在では世界各国の企業が200社以上参加するインダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)。産業用IoT(IIoT)の社会実装を目指す同グループは何を目指し、どういう取り組みを進めているのだろうか。エグゼクティブディレクターであるリチャード・ソーレイ氏に話を聞いた。
ドイツのインダストリー4.0と並び、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)を推進する組織として注目を集めるインダストリアルインターネットコンソーシアム(Industrial Internet Consortium、以下IIC)。2014年3月に米国のAT&T、シスコ、GE、インテル、IBMの5社が設立した団体だが、わずか2年で30カ国から240社以上が参加する団体となった。産業用IoTの社会実装を推進する同団体だが、IICのトップであるエグゼクティブディレクターのリチャード・マーク・ソーレイ(Richard Mark Soley)氏(OMG会長兼CEO)に、現状と日本企業への期待について話を聞いた。
本連載の趣旨
ITmedia産業5メディア総力特集「IoTがもたらす製造業の革新」のメイン企画として本連載「製造業×IoT キーマンインタビュー」を実施しています。キーマンたちがどのようにIoTを捉え、どのような取り組みを進めているかを示すことで、共通項や違いを示し、製造業への指針をあぶり出します。
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テストベッドを20カ所以上設立
MONOist 設立から約2年がたちましたがIICの現在の状況についてどう見ていますか。
ソーレイ氏 あらゆる面から見て急速な成長を遂げているといえるだろう。設立当初はAT&T、シスコ、GE、インテル、IBMの5社でスタートしたが約2年で240社以上の参加企業が集まるようになった。さらに、IICで重視するテストベッド(実証用の場)についても既に20カ所以上設立し、それぞれが実際に産業用インターネット、産業用IoTを組み込むことでどういう利点があり、どういう問題があるかを探っている。
ソーレイ氏 さらに、産業用インターネットを組み込む仕組みの基本形を作るために、インダストリアルインターネットリファレンスアーキテクチャ(Industrial Internet Reference Architecture、IIRA)を作成し、このVer2.0まで策定することができた。セキュリティフレームワークやビジネスフレームワークなどの話し合いも進めている。
国際的な活動なども積極的に強化しており、ドイツに新たな拠点を設立した他、日本やインド、中国などでもさまざまなイベント開催を通じてアピールを行っている。設立してから2年間の活動としては大きな成果が残せたのではないか。
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