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製造業IoTの成功事例共有でタッグ、IVIがIICと連携ハノーバーメッセ2017

「つながる工場」実現に向け取り組みを進めるIVIと、米国のグローバル企業を中心に設立され産業用インターネットの社会実装に取り組むIICは、ハノーバーメッセ2017において、ユースケースの共有などを中心に連携を進めることで覚書(MOU)を結んだ。

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 「つながる工場」実現に向け取り組みを進めるインダストリアルバリューチェーンイニシアチブ(IVI)と、米国のグローバル企業を中心に設立され産業用インターネットの社会実装に取り組むインダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)は2017年4月26日(現地時間)、ハノーバーメッセ2017において、ユースケースの共有などを中心に連携を進めることで覚書(MOU)を結んだ。

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覚書を結んだIICエグゼクティブディレクターのリチャード・マーク・ソーレイ氏(左)とIVI理事長の西岡靖之氏(右)

産業用IoTにおいて、成功事例を共有

 IVIは、日本機械学会生産システム部門の「つながる工場」分科会が母体となり、2015年から活動を開始。日本の現場力を生かした「緩やかな標準」を軸とし、製造現場における具体的な問題の解決をテーマに企業間協力などの取り組みを推進してきた。2016年以降は活動の範囲を広げ、個々の問題解決の形を組み合わせたプラットフォーム化や海外での認知拡大活動、「つながる工場」の参照モデルとして「IVRA」をリリースするなど、活動の幅を広げている※)

※)関連記事:なぜIVIは新たなスマート工場モデルを打ち出すのか

 一方のIICは、2014年3月に米国のAT&T、シスコ、GE、インテル、IBMの5社が設立した産業用IoTの社会実装を推進する団体である。ただグローバル化を進めており、現在は31カ国から260社以上の企業が参加する状態となっている※)。IICの活動の特徴がテストベッドである。実証の場としてのテストベッド活動を重視しており現在はさまざまな企業により27のテストベッド活動を進めている。

※)関連記事:「ソニーも最初は町工場だった」IoT革新は中小製造業が起こす

 両団体の連携の最大のポイントは、成功事例の共有にある。さまざまな産業にとってIoTがもたらす変化は大きなもので、一方で個々を見るといまだに成功の形が見えない状況となっている。こうした中でIoTを活用した成功の形をより多く積み上げていくために、IICではテストベッド活動を推進。一方でIVIは「現場発の問題解決」を活動の根幹としているためワークショップ活動などで小さいながらも数多くの成功事例を保有している。こうした成功事例を共有することで相互に刺激を与え合い、産業用IoTにおける成功の形をより多く作り上げることを目指す。

 IVIとIICの具体的な協力項目は以下の5つである。

  1. ユースケースの共有
  2. IIoTのアーキテクチャに関する情報の共有
  3. 製造業におけるIIoTベストプラクティスの確立と共有
  4. 共同テストベッドの実施に向けた協業
  5. その他活動における相互協力の推進

 IICは、既に日本ではIoT推進コンソーシアムとの連携も表明しているが、IICエグゼクティブディレクターのリチャード・マーク・ソーレイ(Richard Mark Soley)氏は「IICではさまざまな産業におけるIoT活用を推進している。しかし、産業ごとや国ごとで置かれている環境が異なる。そのためIICでは、それぞれの国や業界のIoT団体との連携を密接に進める方針だ。IVIとの連携では特に製造業を中心としたユースケースの共有に期待している。将来的には共同テストベッドなども展開したい」と述べている。

 一方IVIにとっては、他の産業のノウハウを共有したり、製造業のサービス化領域で知見を得たりすることを期待している。IVI理事長の西岡靖之氏は「あくまでもIVIは現場の問題解決を基軸としており、そこは変わらない。ただ、製造業を取り巻く環境は大きく変化しており、枠組としてはグローバルの流れに合わせられるようにしていく。新たにクロスインダストリ委員会なども設立したがあくまでも基軸は製造業。IVIらしい日本の製造現場発の価値を継続的に発信していく」と述べている。

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