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「IoE」を世界へ、ジェイテクト亀山工場が作る「見える化」の標準形スマートファクトリー(4/4 ページ)

インダストリー4.0など工場のスマート化への動きが加速している。ジェイテクト亀山工場では「IoE」コンセプトをベースに独自機器により異種環境間のデータ取得を可能とし、生産性向上を実践する。同工場の取り組みを紹介する。

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センサーを使った予防保全でステップ3を実証

 ジェイテクト亀山第2工場での現在の成果は、ステップ1「つながる」とステップ2「見える化」までの取り組みで実現したものだ。同工場ではさらにステップ3「改善」への取り組みを推進している。センサーを使った設備の予防保全である。

 亀山第2工場の第4ラインでは、研磨設備の一部に光洋電子製の「OnSin Sensor」を設置。これは、温度と3軸の加速度を測定できるセンサーである。予兆保全の実証では、このセンサーからのセンシングデータをデータロガーで記録。記録内容を無線LANでエッジ型解析モジュール「TOYOPUC-AAA」に飛ばし、情報を抽出してサーバに記録するという仕組みである。

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ジェイテクト亀山第2工場で実施している予兆保全の仕組み。正常時のデータを記録、収集することで、故障のレッドラインとなるしきい値を把握し、計画保全が実現可能となる(クリックで拡大)出典:ジェイテクト

 「研磨材などが摩耗し壊れると、交換やメンテナンスで5時間くらいラインを停止することになる。しかし、振動や温度などのデータを把握し、壊れる兆候を見極められれば、作業が発生していない時期などに計画して交換が行える。作業効率への影響を抑えることが可能となる。現状ではまだ壊れたケースがないために、壊れる予兆を示すデータの精度を高めるには、より多くのデータが必要だが、データがさらに集まり精度を高めることができれば、採算性が高いタイミングで交換することが可能となる」と都築氏は述べている。

 ジェイテクトではこのIoEを組み込んだハブユニットの研磨ラインを、ジェイテクトグループにおけるハブユニット生産のモデルライン「グローバルスタンダードライン(GSL)」の1つとし、世界の工場に展開していく方針。時期は未定だが、今後ラインの増設を計画するメキシコ、インドネシア、東欧では新たに設置する方針だという。

品質、保全、生産のIoE

 ジェイテクトでは今後も現場のノウハウとITを融合させた、現場中心のスマートファクトリーを推進する方針。製品品質の兆候管理を行う「品質のIoE」、寿命や異常の兆候管理を行う「保全のIoE」、人も含めた生産性向上を実現する「生産のIoE」の3つのポイントでソリューションを進化させていく計画である。

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ジェイテクトが目指す3つのIoE(クリックで拡大)出典:ジェイテクト

 「IoEへの取り組みは、今回の亀山工場などの他、本社の刈谷工場、香川の香川工場※)などで推進。既に刈谷工場ではデータサーバを用意し、ステップ4の『チェーンソリューション』への取り組みなども進めている。刈谷工場と香川工場、亀山工場は既につながっており、1つの工場内のラインのように、状況を一元的に把握することなどが可能である」と都築氏は述べている。

※)関連記事:ジェイテクト香川工場が挑むIoT活用、生産効率はどこまで高められるのか

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