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インダストリー4.0の10年先を行く、三菱電機が描くIoT時代のモノづくりTECHNO-FRONTIER 2017(2/2 ページ)

「TECHNO-FRONTIER 2017(テクノフロンティア 2017)」の基調講演で、三菱電機 執行役員 FAシステム事業本部 副事業本部長の高橋俊哉氏が登壇。製造業のスマート化を実現する取り組みを紹介した。

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エッジ領域のIoT基盤「FA-ITオープンプラットフォーム」

 さらに、IoTシステムの構築には、既存設備を含む多種多様な生産設備からのデータ収集と、収集したデータを分析しやすいようにモデル化することに多くの労力が必要となっているという。こうした課題解決を目指し三菱電機は、製造業のスマート化を実現するIoT活用を支援するためのエッジ領域のFA-ITオープンプラットフォームを新たに提案した。同プラットフォームにより、生産現場(FAシステム)とバリューチェーン(ITシステム)を容易につなぎ、生産現場のデータの収集・分析・改善のシステムを短期間で構築できるようになる。

 FA-ITオープンプラットフォームの特徴をみると、ベンダーが開発者用サイトから自由に開発環境をダウンロードし、プラットフォーム上で動作するユーザー向けアプリケーションの開発が可能だ。また、さまざまな産業用ネットワークへ接続できるソフトウェアを開発することにより、あらゆる機器・生産設備からのデータ収集ができる。将来的にはアプリストアによるダウンロードサービスも検討している。

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三菱電機の「FA-ITオープンプラットフォーム」の概要 出典:三菱電機

 さらに、プログラミングなどの専門知識がなくても、インダストリー4.0の実践戦略※)において提唱された「管理シェル」に相当する機能を構築することが可能で、装置モデルの設計・管理やデータアクセスが可能。分析に必要なデータを簡単に選択でき、効率的なデータ分析を実現する。この他、ベンダーが持つさまざまなクラウド・ITシステムを活用したユーザー向けサービスと生産現場を接続し、グローバルに点在する自社複数工場の一元管理やサプライチェーンを含めた管理などで全体最適を実現することが可能になるという。

※)関連記事:インダストリー4.0がいよいよ具体化、ドイツで「実践戦略」が公開

 三菱電機は今後、同プラットフォームを早期に提供できるよう、開発を加速するとともに、ITベンダーをはじめとした協力企業各社と連携し、プラットフォームを活用したアプリケーションの開発も進める。また、他の企業との連携により、プラットフォーム上でのより多くの機器・生産設備との接続や、セキュリティや人工知能(AI)の適用なども検討しているという。


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