ソラコムの新料金は従来比6分の1の月額50円!? LoRaWANの普及加速でも一手:製造業IoT(2/2 ページ)
ソラコムは、IoT向けデータ通信サービス「SORACOM Air for セルラー」に新たな料金体系として「Low Data Volume」を追加する。遠隔監視や動態管理など、通信を行うIoTデバイスの数が多い一方で、1個のIoTデバイス当たりの通信データ量が少ない用途に向ける。1カ月当たり50円程度で維持に抑えることも可能だという。
LoRaデバイスの認証をオープン化
ソラコムは、LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの有力候補の1つとして知られるLoRaWANへの取り組みを進めている。2017年2月には正式に「SORACOM Air for LoRaWAN」としてサービスを開始した(関連記事:LoRaWANの商用利用を開始、ゲートウェイ1台当たり年間15万円で導入可能)。
ただし、SORACOM Air for LoRaWANについては、末端の機器側でLoRaWANの通信を行うLoRaデバイスと、各LoRaデバイスからの通信をとりまとめるLoRaゲートウェイは、ソラコムが検証済みのレファレンスプラットフォーム(エイビット製)しか利用できなかった。しかし「顧客から他のLoRaデバイスも併せて使いたいという要望があった」(玉川氏)ため、SORACOM Air for LoRaWANと接続可能なLoRaデバイスの認証をオープン化することとした。
2017年5月10日からLoRaデバイスの登録申請の受付を開始するが、現行のエイビット製を含めて6社のLoRaデバイスがSORACOM Air for LoRaWANに対応することが決まっている。内訳は、LoRaの通信機能を持つ部品である「LoRaWANモジュール」が4社、アンテナなどを含めた半完成品状態の「LoRaWANエンドデバイス」が2社となっている。
SORACOM Air for LoRaWANでは、LoRaゲートウェイを自社で所有せずにユーザー間で共有する「共有サービスモデル」を用意している。現在、共有サービスモデルのLoRaゲートウェイは国内に約30台あるという。玉川氏は「LoRaWANの普及に向けて、LoRaデバイスの認証のオープン化や、共有サービスモデルは重要な役割を果たすだろう。IoTに最適なLPWAネットワークに注目が集まる中、LoRaWANの進展にも確かな手応えを感じている」と述べている。
なお、ソラコムは「第6回 IoT/M2M展」(2017年5月10〜12日、東京ビッグサイト)に16社のパートナー企業と共同で出展し、新サービスやLoRaWANに関する取り組みなどについて紹介する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ソラコムがグローバル対応SIMを米国で販売、データ蓄積サービスも追加
ソラコムはIoT通信プラットフォーム「SORACOM」に2つの新サービスを追加する。1つは、米国でのIoT向けMVNO回線サービス「SORACOM Air」の販売開始で、もう1つはSORACOM AirによるIoTデバイスの通信接続に加えて、クラウドへのデータの収集/蓄積も併せて行う「SORACOM Harvest」である。 - KDDIがソラコムとIoT向け回線サービスを共同開発、「引き合いは前年比3倍に」
KDDIは、IoT(モノのインターネット)向けMVNO(仮想移動体通信事業者)回線サービスを提供するソラコムと、IoT向け回線サービス「KDDI IoTコネクト Air」を共同開発した。「2016年に入ってからIoT向け回線サービスの引き合いが3倍に急増した。そこで、柔軟なサービス体系を早期に提供できるようソラコムと協業した」(KDDI)という。 - クラウドのソラコムとエッジのPFNがCeBITで共同デモ、「互いに良い補完関係」
ソラコムは、ドイツ・ハノーバーで開催される国際情報通信技術見本市「CeBIT 2017」に出展し、ディープラーニング技術を開発するPreferred Networks(PFN)とともに共同デモを行う。 - 急速に普及しつつある「LoRa」
既に27カ国、150の地域でサービスが始まっている「LoRa」について紹介する。「SIGFOX」など他のLPWAN(Low-Power Wide Area Network)との違いはどこにあるのか。LoRaの普及状況や課題などとともに見ていく。 - SIGFOXやLoRaに完全競合する“NB-IoT”こと「LTE Cat.NB1」
今回は、NB-IoT(Narrow Band-IoT)として仕様策定が進められた「LTE Cat.NB1」を紹介する。LTE Cat.NB1よりも先に、MTC/M2M向けとして規格化された「Cat.0」にも触れたい。 - いまさら聞けないSIGFOXネットワーク入門
IoTが拡大する中でネットワーク技術は必須となります。そのIoT向けのネットワーク技術として注目されているのが「SIGFOXネットワーク」です。本稿では、SIGFOXとは何か、どういう価値があるのかという点を分かりやすく解説します。