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LoRaWANの商用利用を開始、ゲートウェイ1台当たり年間15万円で導入可能製造業IoT(1/2 ページ)

ソラコムは、IoT通信プラットフォームの通信方式に、LPWAの1つである「LoRaWAN」対応を追加し、対応のゲートウェイとデバイスの販売を開始した。

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 ソラコムは2017年2月7日、同社が展開するIoT(モノのインターネット)通信プラットフォーム「SORACOM」にLPWA(Low Power Wide Area)通信方式である「LoRaWAN」対応を追加し商用サービスを開始した。合わせてSORACOM対応のLoRaゲートウェイやLoRaデバイスを発売する。

セルラー方式に加えてLoRaWANも

 ソラコムは、IoT向けの通信プラットフォームを提供するベンチャー企業である。2015年9月から、MVNO(仮想移動体通信事業者)としてIoT向け回線サービスを提供。低額な従量課金制を採用している点やプログラマブルなAPIを提供している点、クラウド直結の通信プラットフォームである点などが評価を受け、現在5000社以上がSORACOMを利用する。さらにSORACOMを展開する認定済みパートナーは既に57社に達し、申請パートナー数は260社以上、認定デバイスは60機種以上になるという。

 ただ、IoTで求められるニーズを満たすためには、一般通信キャリアの回線を利用する通信方式だけでは不十分である。IoTはさまざまな用途が期待されているが、その多くはセンサーから定期的にデータを得るようなデータ量が小さい通信だと見られている。通信料金が高すぎたり、通信のための消費電力がかかりすぎたりするなど、利用が難しい状況も存在した。こうした課題解決に期待されているのがLPWAネットワークであり、その1つが「LoRaWAN」である。

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LoRaWANの特徴(クリックで拡大)出典:ソラコム

 「LoRaWAN」は、データ転送速度が低速ながら、省電力で広域をカバーできるという特性がある。また、免許が不要である一方、グローバルに仕様が策定、公開され、標準化が推進されている。ソラコムはM2Bコミュニケーションズとの資本業務提携を通じて、「LoRaWAN」を利用した実証実験キットを2016年7月から販売。「LoRaWAN」を用いた新規サービスや製品開発を検討する企業に提供してきた。今回、これらを商用サービスとして本格展開を行うことを決めた。

 ソラコム社長の玉川憲氏は「非常に安い価格で広い範囲のデータを取得できるのがLoRaWANの特徴である。実証実験キットの提携を通じても、畜産や農業、山岳や橋梁監視、見守りサービス、鳥獣監視など、従来になかったサービスが生まれており、大きな期待を感じている」と述べている。

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実証実験キットによる酪農での活用イメージ。牛の見守りを実現している(クリックで拡大)出典:ソラコム

LoRaゲートウェイとLoRaデバイスを提供

 新たに発売する、「SORACOM Air for LoRaWAN」は、LoRaゲートウェイをSORACOMのコンソールから購入し設置することで、プライベートネットワークを構築できるというもの。ゲートウェイにはセルラー通信が含まれているため、セルラー通信の圏内で任意の場所にゲートウェイを設置可能となる。さらに、ユーザーコンソールやAPIを通じてLoRaゲートウェイと、LoRaデバイスを管理、一括操作が可能である。利用可能なSORACOMのサービスとしては、サーバにデータを蓄積する「SORACOM Beam」、クラウドに蓄積する「SORACOM Funnel」、ソラコムのサーバに蓄積する「SORACOM Harvest」の3種類を選べる。

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「SORACOM Air for LoRaWAN」の仕組み(クリックで拡大)出典:ソラコム

 今回は、屋内用ゲートウェイ(エイビット社:AL-020)と、「Arduino」で開発できる「LoRa Arduino 開発シールド」(エイビット社:AL-050)を同時に発売する。今後は、SORACOMユーザーコンソールで販売するSORACOM対応のLoRaゲートウェイ、LoRaデバイスをパートナーと協業して拡充する方針だという。

photophoto 屋内用ゲートウェイ(左)とLoRa Arduino 開発シールド(右)(クリックで拡大)出典:ソラコム

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