LoRaWANの商用利用を開始、ゲートウェイ1台当たり年間15万円で導入可能:製造業IoT(2/2 ページ)
ソラコムは、IoT通信プラットフォームの通信方式に、LPWAの1つである「LoRaWAN」対応を追加し、対応のゲートウェイとデバイスの販売を開始した。
ゲートウェイ所有モデルの他、低価格な共有モデルを展開
価格については、LoRaゲートウェイを所有するモデルが、初期費用が1台当たり6万9800円、月額利用料金がゲートウェイ1台当たり3万9800円となっている。2台目以降の月額利用料金は1台当たり2万9800円としている。これには「SORACOM Air for LoRaWAN」利用料金の他、ゲートウェイのセルラー通信料金、SORACOMアプリケーションサービス利用料(月額料金内の場合)を含んでおり、1台当たり年間で約55万円で導入が可能だといえる。玉川氏は「台数が増えれば増えるほど1台当たりの経費は下がってくる」と特徴について述べる。
さらに低価格な共有サービスモデルを用意
「SORACOM Air for LoRaWAN」では、さらに低価格な共有サービスモデルも用意している。ゲートウェイ所有モデルでも、回線を共有する「パブリックモード」などが用意されているが、共有サービスモデルはソラコムがゲートウェイを所有し、さまざまなユーザーが回線をサービスとして購入できるようにしたもの。常時接続状態の維持が必要である他、設置場所の公開、1年毎の契約更新が必要となるが、初期費用や月額費用を大幅に安く利用することが可能である。
共有サービスモデルであれば初期費用は1台当たり2万4800円で、LoRaゲートウェイ利用料は1台当たり9980円。料金内に含まれるサービスは所有モデルと同じである。1台当たりの年間の利用料は14万5000円程度となり、所有モデルの約3分の1の価格に抑えられる。
玉川氏は「それぞれに魅力があると考えている。製造業の工場など自社で所有したいというニーズなどに対しては所有モデルが向くと考えられる。ただ、シェアリングエコノミーの考え方などに立ち、ネットワークを共有しコストを下げるということを考える企業であれば、共有サービスモデルの方が利点が大きい場合もある。両面で伸びていくだろう」と述べている。
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