ベッコフが防爆仕様I/Oに参入、プロセス市場開拓へ:ハノーバーメッセ2017(2/2 ページ)
ドイツのベッコフは、ハノーバーメッセ2017において、防爆仕様のEtherCAT I/O機器を発表。プロセス系制御分野に今後カバー領域を拡大を進めていく方針を示した。
82×82×40mmの高性能、コンパクトなIPC
ベッコフでは防爆仕様I/Oターミナルの他、プロダクトハイライトとして既に2016年の「SPS IPC Drives 2016」で発表済みの82×82×40mmというコンパクトで省スペースな産業用PC「C6015」をアピールした。
「C6015」は、82×82×40mmというコンパクトサイズの筐体に最大で4コアのIntel Atomプロセッサを搭載するファンレス産業用PCである。2GBメモリに30GBのSSDを搭載し、OSにはWindows Embedded Compact 7を搭載している。筐体をさまざまな向きや位置で取り付けられるように取り付けキットなども用意し、装置やラインなどに搭載しやすくしている。
さらに「Microsoft Azure Certified」を取得しており、直接クラウドと接続することが可能。産業用PCとしての性能に加えて、IoTゲートウェイとしての活用も可能で、幅広い使い方が期待できるという。
フルステンレスのリニア搬送装置
EtherCATを生かし、高精度な通信制御が可能なことで注目を集めるリニア搬送システム「XTS」も新製品を新たに用意※)。レール部や稼働子ともにフルステンレス製のモデルを投入することを発表した。「既に医薬品や食品などでのニーズが高まっていたというが、従来は衛生面の問題で導入できないところがあった。こうしたニーズに対応していく」と川野氏は述べている。
※)関連記事:メカ機構と制御で複雑な動作が可能に、ベッコフのリニア搬送システムが進化
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