メカ機構と制御で複雑な動作が可能に、ベッコフのリニア搬送システムが進化:TECHNO-FRONTIER 2015
ベッコフオートメーションは「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)2015」で、EtherCATの強みを生かしたリニア搬送システム「XTS」の新たな用途提案を行った。
ベッコフオートメーションは2015年5月20〜22日に千葉市・幕張メッセで開催されている「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)2015」で、EtherCATの強みを生かしたリニア搬送システム「XTS(eXtended Transport System)」をアピール。同システムの特徴をあらためて訴えるとともに、メカ機構と組み合わせることでシンプルな機構ながら複雑な動作が行えることを紹介した。
同社はオープン産業ネットワークEtherCATの開発メーカーであるドイツBeckhoff Automationの日本法人。PCベースのFA制御ソリューションを展開しているが、2014年8月には、同制御技術を活用しながら、無配線で高速搬送が行えるリニア搬送システム「XTS」の展開を開始した。
XTSは、レール部にコイル、可動子に磁石を入れ、配線なしでも可動子を動かすことができる搬送システムで、EtherCATにより、レール部のコイルに流れる複雑な電気制御を実現し、可動子1つ1つを個別に高精度・高速で動かすことができるのが特徴だ。また、無配線であるためコンパクトな形状が実現でき、さらに拡張性がある点も利点となっている。
今回のTECHNO-FRONTIERでは、ガイド機構を組み込んだ板を2つの可動子で支え、可動子の幅を広げたり閉じたりすることで、板の軸をX軸方向およびY軸方向の2次元であれば自由に動かすことが可能なデモを行った。ちなみに2015年4月に開催されたハノーバーメッセ2015では、生産ラインをイメージした同機構のデモが出展されている。
ベッコフオートメーション 代表取締役社長の川野俊充氏は「実際に生産ラインで使えそうな形で展示できたことで、来場者にとっても使用イメージを持ちやすくした。実際に問い合わせも多い」と手応えを語っている。
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