三菱電機はスマート工場基盤を訴求、欧州発のシンプルIoTも用意:ハノーバーメッセ2017(2/2 ページ)
三菱電機は、ハノーバーメッセ2017において、2017年3月に発表した「FA-ITオープンプラットフォーム」を披露。一方で、ドイツのシェフラーと協力したシンプルなIoTパッケージも紹介し、注目を集めている。
簡単で成果の出るIoTパッケージを紹介
三菱電機はハノーバーメッセ2017でのIoTソリューションとしては、工場全体の大規模なIoT化を担う「FA-ITオープンプラットフォーム」の一方で、身近でシンプルなIoTパッケージなども紹介。既に多くの実績を生み出していることから、高い関心を集めていた。
三菱電機のシンプルIoTパッケージは、ドイツのシェフラー(Schaeffler)のスマート振動センサーを使い、同振動センサーと三菱電機製PLCと表示機、制御ボックスを1つのパッケージとした製品である。
シェフラーのスマート振動センサーは、振動を指標とし非常に簡単に遠隔監視を行えるものである。「ティーチ」ボタンを押して、その間の振動の範囲を学習し、その範囲を大きく逸脱する状況になればアラートを発信するというシンプルな仕組みだ。通信機能を持ち、事前設定により三菱電機のPLCと接続するだけですぐに使える。さらに価格も手頃で1プロジェクトで4000〜5000ユーロ(50〜60万円程度)で導入可能だとしている。
既に多くの導入実績が生まれており、水処理場や砂糖工場、エンターテインメント施設などで成果を上げているという。同IoTパッケージはドイツ拠点を中心に開発したものだが「多くの実績もあり、他の地域でもニーズがあると考えるので日本にも展開することを検討する」(三菱電機 FAシステム事業本部 FAソリューション事業推進本部 FAソリューション計画部 事業企画グループ 専任 野末直道氏)としている。
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