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パーソナルデータの利活用に関して社内をけん引する組織を新設:製造マネジメントニュース
NECは、2017年4月1日付で「データ流通戦略室」を新設した。AI/IoT時代のデータ流通/利活用に関して、法制度や倫理、生活者の受容性などの観点から戦略や企画を立案し、社内をけん引していく組織となる。
NECは2017年4月3日、「データ流通戦略室」を同年4月1日付で新設したと発表した。パーソナルデータなどのデータ流通/利活用に関して、法制度や倫理、生活者の受容性などの観点から社内をけん引する組織となる。
同戦略室は、NECが注力する事業をけん引し、ビジネスモデル変革の推進などを担う「ビジネスイノベーション統括ユニット」内に設立される。社外有識者との連携により、プライバシーを重視したパーソナルデータの利活用に向けた戦略立案やソリューション企画、政策提言を行っていく。また、関連ステークホルダーとコミュニケーションを取りつつ、社内体制の整備や専門要員の育成、社員リテラシー向上を推進する役割も担当する。
パーソナルデータの利活用は、近年、スマートシティーやヘルスケア、金融、観光などの領域において、新サービス創出を通じた市場拡大が期待されている。その一方で、プライバシーへの配慮や法制度への対応などさまざまな課題を抱えている。
NECは「NEC the WISE」をはじめとするAI技術群を有し、IoT(モノのインターネット)や人工知能といった現代の技術と人の協調に関して、これまで産業競争力懇談会(COCN)で積極的に提言してきた。これらの技術が安心して社会に受容されるための倫理や法制度の研究などの取り組みを今後も推進していくとしている。
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