これらの取り組みを推進し、ボトムアップ型で地道な成果の積み上げを続けていく一方で2017年度は一転して「未来」をテーマに掲げた取り組みを強化する。西岡氏は「IVIは現場起点の緩やかな標準をテーマとしてきたこともあり、現場からの積み上げによる改善アプローチをベースとして取り組んできた。しかし、改善だけでは不十分な場合もある。逆に今はできそうもない未来を描き、その実現を目指すことで障壁となっている技術を洗い出し、新たな技術革新につながるという意味も生まれる」と考えを述べている。
具体的には、このプロジェクトは「IVI 未来プロジェクト」とされ、2017年1月10~31日にIVI内で意見募集を行った。「条件として『できる』は全て外し『できない』を必須条件とした」(西岡氏)。さらに「複数企業が協力して行うもの」「日本やIVIの強みが発揮できること」「夢があること」「10人の内9人は反対しそうなこと」などの条件を加えて26のアイデアが集まったという。
これらのアイデアを整理すると主に4つの分野に集約されたという。具体的には「知能化」「サイバー化」「デバイス化」「ソフトウェア化」である。それぞれの内容と要素は以下の通りである。
具体的には2017年度は実行可能性調査や公的予算の折衝などを推進し、2018年度からコンソーシアム型で実プロジェクトをスタートさせる予定。2020年度には中間成果をフィードバックし、見込みがない場合はそこで終了させるなどの見極めを行う。
さらに産学連携などの取り組みも強化し、2017年度前半で技術的な課題を明らかにし、参加企業が確定した時点で、研究開発的な部分を大学、研究機関などに協力を要請する。未来プロジェクト拠出金なども用意する他、研究開発テーマやゴールの設定および公募などを行う。
さらに中小製造業向けに10万円でIoTが全て完成するキットをIVIで調達しサポートなどを行う「10万円IoTプロジェクト」や広報活動の強化として「IVIエバンジェリスト活動」の始動、これまでのシナリオによるデジタル化されたモデルを活用した「Proactive Platform Activation Program(PPAP)の用意、セミナー展開の強化、グローバル展開の強化などの取り組みを推進していく計画を示している。
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