インドネシアとインドに電子楽器の新工場を建設:工場ニュース
ヤマハは、インドネシアに製造子会社PT. Yamaha Musical Products Asiaを2017年3月に設立し、工場を新設する。また、インドの連結子会社であるYamaha Music Indiaに増資を行い、工場を新設する予定だ。
ヤマハは2017年2月22日、インドネシアのブカシ県に製造子会社PT. Yamaha Musical Products Asiaを同年3月に設立し、工場を新設することを発表した。また、インドの連結子会社であるYamaha Music Indiaに増資を行い、新工場を建設するという。
Yamaha Musical Products Asiaの取締役社長には、Yamaha Music Manufacturing Indonesia取締役社長の後藤敏昭氏が兼務する予定だ。資本金は5685億インドネシアルピア(約45億円)で、工場は2018年8月の操業開始を予定している。
ヤマハは現在、インドネシア内に5つの製造子会社を持ち、楽器・音響機器の生産を行っている。今回、デジタルピアノの生産能力を増強するため、新たな子会社の設立に至った。新工場では電子楽器やピアノ部品などを生産する。さらに、既存の工場と生産品目の適正化を行い、楽器・音響機器全体での収益力強化と生産能力増強を図るとしている。
一方、Yamaha Music Indiaの新工場は、2017年2月末より段階的に行われる32億インドルピー(約49億円)の増資を受けて、インド南部のタミル・ナドゥ州にて2019年1月からの稼働を予定している。拡大するインド市場および新興国市場向けに普及価格帯のポータブルキーボード、アコースティックギター、PA機器などを生産。製販一体のオペレーションを実現し、インド市場独自のニーズを取り入れた商品の生産・販売を目指す。
2つの新工場設立は、新興国の中間所得者層を中心に拡大が見込まれる楽器や音響機器への需要への対応とシェア向上による成長を図るのが狙いだ。新工場への投資は、中期経営計画「NEXT STAGE 12」で策定した500億円に上る戦略投資の一部を使用する。
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