インド最大州の首相が「日本企業専用工業団地」への進出を呼び掛け:製造マネジメントニュース
インドで最も面積の大きいラジャスタン州の首相ヴァスンダラ・ラジェ氏は、報道陣と会談をし、同州で2つ目となる「日本企業専用工業団地」を完成させ、日本企業の進出を呼び掛けた。
ラジャスタン州の首相であるヴァスンダラ・ラジェ(Vasundhara Raje)氏は2015年4月7日、報道陣と会談をし、同州で2つ目となる「日本企業専用工業団地」を完成させ、日本企業の進出を呼び掛けた。
ラジャスタン州は、インド北西部に位置し、インドで最も面積の大きな州。インドの中でも、女性の社会進出を支援する各種取り組みを行うなど、さまざまな先進的な取り組みを行うことで有名だ。企業誘致についても早期に「日本企業専用」の工業団地を設置。2006年7月に日本貿易振興機構(JETRO)とRajasthan State Industrial Development and Investment(RIICO)との間で覚書を締結し、2007年にラジャスタン州ニムラナに1167エーカー(約472万m2)の日本専用工業団地を設置した。これはインド初の国別産業地帯だったという。
ニムラナ日本専用工業団地には現在日本企業45社が入居し、37事業体が生産を開始しているという。また3事業体で現在建設が行われている。進出企業には、ダイキン工業や日信工業、日本ポリプロ、三井化学、ユニ・チャーム、日本パイプなどがあるという。進出企業の多くは自動車部品産業に属しており、これまでの投資総額は420億インドルピー(約800億円)、従業員数は9100人になっているという。
ストライキを止める法律も
ラジャスタン州に進出する利点として、ラジェ氏は「まず首都であるデリーに近く大規模市場に近接している点がある。交通の便もよく、電力などの産業インフラが安定して提供できる。さらに進出企業と州政府との友好な関係があり手続きの簡素化などにも取り組んでいる」と述べる。
インドでは、ストライキが頻発しており、ハリヤナ州ではスズキのインド子会社などが暴動により被害を受けたケースなどもあったが、ラジャスタン州では、工場団地内などでストライキを行うことを禁止する州法を2015年4月に発効。「もともとストライキなどはほとんど起きていない環境ではあったが、さらに進出企業が安心できる環境作りに取り組んでいる」とラジェ氏は語る。
新たな日本企業専用工業団地をギロットに設立
これらの流れから、同州で2つ目の日本企業専用工業団地をニムラナからも近いギロットに設立。500エーカー(約202万m2)以上の土地を用意し、割り当てを開始した。ギロットでは既にRIICOがセラミックおよびガラス産業特区として、割り当てを開始しているエリアがあり、原材料の多くがラジャスタン内で入手可能である点を利点として挙げている。既に「第1号の進出企業とは契約を済ませた」(ラジェ氏)としており、今後はさらに誘致を広げていく方針だ。
ラジェ氏は「ニムラナとは違いギロットには中堅・中小製造業でも進出しやすいプログラムを用意している。より多くの日本企業に進出してもらいたい」と述べている。
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