トヨタが子育て世代向けに3人乗りEV、「i-ROAD」と同じアクティブリーン機構採用:ジュネーブモーターショー2017
トヨタ自動車は「第87回ジュネーブ国際モーターショー」において、近未来型の都市型モビリティライフを提案するコンセプトモデル「TOYOTA i-TRIL」を世界初披露した。
トヨタ自動車は「第87回ジュネーブ国際モーターショー」(プレスデー:2017年3月7〜8日、一般公開日:3月9〜19日)において、近未来型の都市型モビリティライフを提案するコンセプトモデル「TOYOTA i-TRIL」を世界初披露した。あわせて、コンパクトカー「ヤリス(日本名ヴィッツ)」のチューニング仕様「ヤリス GRMN」の新モデルも披露した。
欧州では中小規模の都市の発展が見込まれており、TOYOTA i-TRILは小さなコミュニティーの30〜50代の子育て世代向けに便利で快適な新ジャンルの都市におけるモビリティを具現化したコンセプトモデルとなる。デザインは、フランス・ニースに拠点を置くEDスクエア(Toyota Europe Design Development)が担当した。
TOYOTA i-TRILはクルマの中心にドライバーを配置し、後部座席に2人乗車可能な「1+2レイアウト」とした。ドライバーと同乗者の絶妙な距離感を実現し、心地よい車内空間を作り出したとしている。ドアはフロアの一部となっており、ドアを開けると乗降しやすくなる。
外形寸法は全長2830×全幅1500×全高1460mm。全幅については1480mm以下が求められる日本の軽自動車規格よりも広い。ホイールベースは2080mm。左右の前輪が上下して車体の傾きを最適に制御する「アクティブリーン機構」を採用したことにより、快適性と安定性を両立し、意のままに操れる一体感のある爽快な走りを実感できるという。
TOYOTA i-TRILは電気自動車で、1充電当たりの走行距離は200km以上としている。
オートサロンのコンセプトモデルが早くも市販?
トヨタ自動車は2017年から世界ラリー選手権に復帰しており、ヤリス GRMNはTOYOTA GAZOO Racingと参戦車両のヤリスWRCに触発されて開発したホットハッチだという。
排気量1.8l(リットル)で、210馬力のスーパーチャージャー付きエンジンを搭載する。0-100kmの加速はクラス最高だとしている。6速MTを組み合わせる。
豊田紡織が独自に開発したスポーツシートを採用する。エンジンやインテリアは欧州で、シャーシとブレーキシステムは日本で開発した。
フランスでの生産を予定しており、欧州では2018年初めから発売する計画だ。
トヨタ自動車は2017年1月の東京オートサロンでチューニングブランド「GAZOO Racing tuned by MN(GRMN)」「G SPORTS(G's)」の今後を示すスタディとなる「TGRコンセプト」として「ヴィッツTGRコンセプト」を紹介した。
ヴィッツTGRコンセプトはプジョー「208GTi」やフォルクスワーゲン「ポロGTI」のような欧州のホットハッチを競合モデルとしている。このモデルを通じて、スポーツカーではないFFコンパクトカーでも運転が楽しめることを訴求していくという。
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