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トヨタ自動車の超小型EVはコーナーでバンクする、最高時速は45kmと安全設計電気自動車

トヨタ自動車の超小型電気自動車(EV)のコンセプトカー「TOYOTA i-ROAD」は、新開発の「アクティブリーン機構」によって、二輪車のバンク走行のように車体を傾けながらカーブを曲がることが可能だ。最高時速は45kmという安全設計になっている。

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トヨタ自動車の超小型EVのコンセプトカー「TOYOTA i-ROAD」

 トヨタ自動車は2013年3月4日、「第83回ジュネーブ国際モーターショー」(2013年3月7〜17日、スイス・ジュネーブ)において、都市内部の近距離移動に用いる超小型電気自動車(EV)のコンセプトカー「TOYOTA i-ROAD(以下、i-ROAD)」を出展すると発表した。

⇒「i-ROAD」の走行映像を紹介した記事はこちら

 i-ROADは、「コンパクトで爽快なモビリティ」をテーマに掲げて設計された、2人乗り超小型EVのコンセプトカーである。二輪車並みの使い勝手と新しい乗り味による楽しさを提供するとともに、都市部での渋滞や駐車スペースによる交通問題、低炭素で持続可能な街づくりに関する諸課題など、さまざまなニーズに応えられるという。

トヨタ自動車の超小型EVのコンセプトカー「TOYOTA i-ROAD」。左の写真は、横方向と前方から見た状態。右の写真は、斜め後方から見た状態である。(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 外形寸法は、全長2350×全幅850×全高1445mm。軽自動車と比べても、全長で約31%、全幅で約42%小さい。車線を占有することなく道路端をスムーズに走行できる取り回しの良さを備え、駐車スペースも一般的な乗用車の2分の1〜4分の1で済む。車両重量も300kgと軽い。2人の乗員は、前方の運転席と後方の乗員席に乗ることになる。

 i-ROADは、出力2kWの走行用モーターを組み込んだ2個の前輪と、1個の後輪を用いた三輪車となっている。「二輪車並みの使い勝手と新しい乗り味」を実現するため、カーブなどを曲がる際の遠心力に合わせて、車体の傾きを最適かつ自動的に制御する「アクティブリーン機構」を新たに開発した。例えば、一方の前輪を後方に引き込みながら、もう一方の前輪を前方に押し出して、二輪車のバンク走行のように車体を傾けながらカーブを曲がることが可能である。

カーブを曲がる「i-Road」
カーブを曲がる「i-Road」。一方の前輪を後方に引き込みながら、もう一方の前輪を前方に押し出して、二輪車のバンク走行のように車体を傾けて走行する。(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 このアクティブリーン機構により、狭い全幅でありながら、ドライバー自身が車両のバランスを保たなくても、安定した走行を行える。さらに、「自動車や二輪車とは全く別次元の一体感のある爽快な走りを実現できる」(トヨタ自動車)としている。最小回転半径は、乗用車と二輪車の中間に当たる3mである。

 走行用モーターの合計出力が4kWと小さいこともあり、最高時速は45kmまでしか出せない。最高時速60kmの原動機付自転車と比べても安全設計になっている。リチウムイオン電池を搭載しており、満充電からの走行距離は、毎時30kmの定速走行時で50kmである。

 i-Roadは、屋根とドアを備えているので、二輪車と比べて降雨時などでも利用しやすい。車室内で音楽を楽しめる上に、ヘルメットも不要である。

「i-Road」の車室内
「i-Road」の車室内(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

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