ドイツの中心で「Society 5.0」を叫ぶ!? 「CeBIT 2017」に日本企業118社が出展:CeBIT 2017(2/2 ページ)
開催まで約1カ月に迫った世界最大級の国際情報通信技術見本市「CeBIT 2017」では、パートナー国である日本の118の企業/団体が「ジャパン・パビリオン」に出展。日本政府が掲げる科学技術計画のキャッチフレーズ「Society 5.0」の実現につながる、日本の技術や製品、サービス、最先端のソリューションを発信する。
「ジャパン・パビリオン」は3つのゾーンで構成
ジャパン・パビリオンのコンセプトは「Create a New World with Japan −Society5.0, Another Perspective−」だ。JETRO 理事の眞銅竜日郎氏は「日本政府が掲げる科学技術計画のキャッチフレーズである『Society 5.0』の実現につながる、日本の技術や製品、サービス、最先端のソリューションを、ドイツならびに世界に発信したい」と語る。
同パビリオンは、3つのゾーンから構成される。1つ目は、一般消費者やオフィス、都市生活向けの商品やサービスを展示する「Life/Office/Society」(67社/団体、ホール4)。2つ目は、エネルギーなどの社会インフラや工場における製造など向けの製品や技術を扱う「Infrastructure/Factory」(35社/団体、ホール12)。そして3つ目は、これら両ゾーンに関わるデバイスや素子、基礎技術を集めた「Element」(16社/団体、ホール4)である。
開催前日となる3月19日の「Welcome Night」には、ドイツ首相のアンゲラ・メルケル氏とともに、パートナー国である日本から首相の安倍晋三氏も出席する。両氏はCeBIT 2017に合わせて首脳会談も行う予定だ。この他、ジャパン・パビリオンでは、日本とドイツの先駆的な連携事例や、IoT(モノのインターネット)を活用した日本の技術やアイデアを紹介する「Japan Summit(ジャパン・サミット)」や、日本の中小企業とドイツ企業のビジネスマッチングを行う「Business Networking(ビジネス・ネットワーキング)」などのイベントを実施する計画だ。
会見では、ジャパン・パビリオンに出展する118社・団体のうち12社が、それぞれ約2分間のショートプレゼンを行った。12社のうち、記者が気になった4社を紹介しよう。
アルファTKG 代表取締役の高木俊郎氏は“中小製造業向けIoTシステム”として販売している「alfaDOCK」をアピール。2次元図面や3D CADデータ、画像ファイル、文書ファイルなどを一括管理できるシステムで、従業員30〜500人の中小製造業向けとなっている。
金子製作所は、リアルタイムで表示できる「多視点裸眼3D内視鏡システム」を発表した。3Dメガネなしで、モニターの前方150度の範囲にいる人々に3D映像を見せることができる。
ソラコム社長の玉川憲氏は、日本と米国で展開しているIoT通信プラットフォーム「SORACOM」を、「CeBIT 2017」に合わせて欧州展開する準備を進めていることを明らかにした。
日本IQPは、プログラムを書かずにIoTアプリケーションを開発できるプラットフォーム「IQP」を発表(右)。IQPは、GEデジタル、IBM、モトローラ、トヨタ自動車、富士通など10数社に採用されているという。
関連記事
- 「つながり」が実現する超スマート社会、日立が目指す「Society 5.0」
10月7日まで開催されたCPS/IoT展「CEATEC JAPAN 2016」の基調講演で登壇した日立製作所 代表執行役 執行役社長兼CEOの東原敏昭氏は「業種を超えて超スマート社会の実現に取り組みたい」と述べた。 - Society 5.0によって目指す「超スマート社会」、人工知能やIoTで実現できるのか
東京都内で開催された「SIPシンポジウム2016」に、日本学術振興会 理事長で、人工知能技術戦略会議 議長を務める安西祐一郎氏が登壇。「AI、ビッグデータ、IoTの研究開発とSociety 5.0の実現」と題した講演を行った。 - ドイツだけではない、フランスや中国でも進む製造業のデジタル化
2年に1度の「国際ロボット展」が開催されない年に企画されたロボット関連の展示会として「Japan Robot Week2016」が新たに開催。同展示会のシンポジウムとしてロボット革命イニシアティブ協議会が主催する「ロボット革命国際フォーラム」が実施された。本稿では同シンポジウムの内容をお伝えする。 - ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。 - 日本の製造業が「IoTで遅れている」と指摘される理由
MONOist主催のセミナー「インダストリー4.0の到来は日本をどう変革するか」の基調講演に、経済産業省 の正田聡氏が登壇。日本政府としてIoTによる製造業革新を支援する取り組みをどう進めているかということを紹介した。インダストリアルインターネットコンソーシアムの日本の窓口として活躍する吉野晃生氏の講演なども含め、同セミナーのレポートをお送りする。 - IoTとロボットで世界にアピール、「CeBIT」で日本がパートナー国に
ドイツメッセと日本能率協会は、ドイツのハノーバーで開催される世界最大規模の情報通信技術の見本市である「CeBIT 2017」の開催概要について発表。2017年は日本がパートナー国となり、約100社の日本企業の出展が見込まれている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.