HEREとパイオニアが正式に提携に合意、2018年から両社で位置情報サービス開始:車載情報機器
地図データ大手のHEREとパイオニアは、グローバルな地図ソリューションと次世代の位置情報サービスにおける戦略的提携に合意した。両社は2015年以降、協議を続けていた。
地図データ大手のHEREとパイオニアは2017年2月8日、グローバルな地図ソリューションと次世代の位置情報サービスにおける戦略的提携に合意したと発表した。両社は2015年以降、協議を続けていた。
両社は地図データと自動車向けの技術を組み合わせ、グローバルな標準地図の相互活用と、自動運転システム用の高精度地図ソリューションの提供に取り組む。自動車業界だけでなく、位置情報を活用したいさまざまな業界に向けてもサービスを提供していく。
グローバルな標準地図のサービスについては、パイオニアの完全子会社であるインクリメント・PとHEREが保有する地図データを製品やサービスで相互に利用する。これにより、HEREは日本の地図データを、インクリメント・Pは海外の地図データを顧客に提供できるようになる。
自動運転システム用の高精度地図の作成については、パイオニアの3次元レーザースキャナ(3D-LiDAR)を使用してデータを収集する。
2018年には、パイオニアの市販用デバイスでセンシングして得たデータを利用した位置情報サービスを市場導入する。HEREのオープンロケーションプラットフォームにパイオニアのデータが加わる。ドライバー向けにリアルタイムに提供するクラウドデータサービスの情報量が充実する。
HEREはAudi(アウディ)、BMW、Daimler(ダイムラー)というドイツ大手自動車メーカー3社に買収された。2017年に入ってからは、ゼンリンやNVIDIA、Microsoftとの協業を発表している。
関連記事
- アウディとBMWとダイムラーが3社連合でHEREを買収した理由
アウディ、BMW、ダイムラーのドイツ自動車メーカー3社連合が、ノキアの100%子会社で地図情報サービス大手のHEREを買収した。HEREを詳しく取材してきた桃田健史氏がその理由をひも解く。そして今回のHERE買収は、今後数年間で起こるであろう、自動車産業の構造大転換のプロローグにすぎないという。 - 「CES 2017」は自動運転車と人工知能のユートピアだった
2011年からモーターショー化してきた「CES」。2017年のCESは、ついに「自動運転車と人工知能のユートピア」となった。 - パイオニアがアウディBMWダイムラーに買収されたHEREと提携、自動運転向け地図で
パイオニアと地図データ大手のHEREは、自動運転・高度運転支援向け高度化地図の活用について協議を進めることで合意した。国内向けのみならずグローバルでの提携が前提となる。 - マイクロソフトとHEREが協業、地図データをサービス開発から一般ユーザーまで活用
マイクロソフトは、地図データやサービスを提供するグローバルプロバイダーとして、地図データ大手のHEREと協業する。これにより、マイクロソフトはHEREのデータやサービスを自社の製品などに統合することができるようになる。 - パイオニアが自動運転車向けレーザースキャナを開発、光ディスク技術を応用
パイオニアは、自動運転システムやADAS(先進運転支援システム)に必要とされる3次元レーザースキャナを開発した。2016年中に、自動運転技術で重要な役割を果たす高度化地図の整備車両向けに実用化した後、2017年に業務用製品、2018年から一般車両向けの製品化を目指す。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.