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パイオニアが自動運転車向けレーザースキャナを開発、光ディスク技術を応用自動運転技術(1/2 ページ)

パイオニアは、自動運転システムやADAS(先進運転支援システム)に必要とされる3次元レーザースキャナを開発した。2016年中に、自動運転技術で重要な役割を果たす高度化地図の整備車両向けに実用化した後、2017年に業務用製品、2018年から一般車両向けの製品化を目指す。

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 パイオニアは2015年9月1日、自動運転システムやADAS(先進運転支援システム)に必要とされる走行空間センサー「3D-LiDAR(ライダー)」の原理検証試作を完了し、高性能かつ小型・低コストでの製品化に向けた開発と車載実証実験を開始したと発表した。まず2016年中に、自動運転技術で重要な役割を果たす高度化地図の整備車両向けに実用化した後、2017年に業務用製品、2018年ごろから一般車両向けの製品化を目指す。

「3D-LiDAR」の導入スケジュール
「3D-LiDAR」の導入スケジュール(クリックで拡大) 出典:パイオニア

 同社が3D-LiDARと呼ぶセンサーは、赤外線レーザーで広範囲をスキャンし、センサー周辺の物体を検知するもので、高さ方向についても一定の範囲で検知が可能なことから3次元レーザースキャナと呼ばれている。Googleの自動運転車や、HEREの高度化地図作成のデータ収集車の屋根に装着されている3次元レーザースキャナは、車両の周囲360度を検知することが可能だ。

Googleの自動運転の実験車両(左)とHEREの高度化地図作成のためのデータ収集車(右)。両車両とも、屋根に3次元レーザースキャナが設置されている(クリックで拡大) 出典:Google、HERE

 3次元レーザースキャナは、数十m先の物体の距離や幅を詳細に検出できることに加え、検出した形状から物体認識まで可能であり、自動運転を実現する上で不可欠なキーデバイスになるといわれている。ただし、先述の屋根に装着するタイプの3次元レーザースキャナは、1個当たり数百万円以上と高価であり、量産車への搭載は難しい。安価なものでも100万円近くする。

 今回パイオニアが開発している3D-LiDARは、イメージ図から見ると、屋根に装着して車両の周囲360度を検知するタイプではなく、車両の四隅に組み込むタイプになっている。センサー1個当たりの検知角度は180度程度と狭いが、車両の四隅に組み込むことで車両の周囲360度をカバーできる仕様になっている。

パイオニアの「3D-LiDAR」によるセンシングイメージ(クリックで拡大) 出典:パイオニア

 このほど原理検証試作が完了した3D-LiDARは、パイオニアが光ディスク用ピックアップの開発などで培ってきた技術を適用することで高性能化が可能だという。そして、3次元レーザースキャナの普及に向けた課題であるサイズと価格を解決できるよう、大幅な小型化と低価格化の実現を目指すとしている。

 低価格をうたうのであれば、少なくとも一般車両向けに製品化する2018年ごろに、車両の四隅に設置する4個のセンサーのセットで数十万円以下にしなければならないだろう。

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