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AR表示がずれない世界初の車載ヘッドアップディスプレイ、コニカミノルタが開発:VRニュース(2/2 ページ)
コニカミノルタは「世界初」(同社)の車載用「3D AR HUD(3次元拡張現実ヘッドアップディスプレイ)」を開発した。ドライバーの視点を動かしても、周辺の車両や歩行者などに重ね合わせたAR(拡張現実)表示がずれないことを特徴とする。2018〜2019年を目標に商品化を進める。
フレームレートに課題も「解決できるめどは立っている」
会見では3D AR HUDのデモも披露した。デモの内容は2種類に分かれている。1つは走行速度に合わせて、速度を示すメーターの表示位置を変えるものだ。例えば、市街地で時速40kmで走行しているときは40m先にあるように、高速道路で時速80kmで走行しているときは80m先にあるようにして、常にドライバーにとって見やすいようにすることができる。
もう1つは、3D AR HUDの前方を動く歩行者(を模した人形)に対するAR表示の重ね合わせだ。3D AR HUDと3Dではない通常のAR HUD(3D機能がオフ)のAR表示を比較し、その効果を示すものだ。
前方を動く歩行者(を模した人形)に対するAR表示の重ね合わせのデモ。通常の「AR HUD」では、正面から見た状態であればAR表示は歩行者からずれない(左)が、視点を横に動かして見るとずれてしまう(右)(クリックで拡大) 出典:コニカミノルタ
「3D AR HUD」の2種類のデモ(クリックで再生)
今回のデモでは、AR表示にちらつきは見られるなど、フレームレートに課題があるようだったが、「商品化時期までには解決できるめどは立っている」(山田氏)としている。
なおコニカミノルタは、「オートモーティブワールド2017」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)で3D AR HUDを出展する予定だ。
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