スマート工場化が加速した2016年、EtherCAT対応やFIELD systemなどに注目:FA 年間ランキング2016(2/2 ページ)
2016年に公開したMONOist FAフォーラムの記事をランキング形式で振り返る。公開記事の1年間分のデータを集計した上位記事とそこから見えるFA業界の状況について紹介する。トップ10を占めたのは全て、IoTを活用したスマート工場に関連する記事となり、1年の動きをまさに象徴する結果となった。
スマート工場の風雲児となったファナック
FA業界における2016年の動きで、スマート工場の台風の目ともいうべき活躍を見せたのがファナックになるでしょう。それを象徴するようにMONOist FAフォーラムの年間記事ランキングでも6位に「製造業IoTに新たなデファクト誕生か、ファナックらが人工知能搭載の情報基盤開発へ」、10位に「ファナックがIoT基盤の壮大な実演、JIMTOFで80社250台の工作機械を見える化」がランクインしています。単独企業の記事でトップ10に2本以上ランクインしたのはファナックだけということで、それだけ大きな動きを示し続けたということがいえるでしょう。
ファナックでは、2016年4月に米国のネットワーク関連企業Cisco Systems(以下、シスコ)、米国の産業オートメーション関連企業のRockwell Automation(以下、ロックウェル)、深層学習技術などを開発する人工知能関連ベンチャーPreferred Networks(以下、PFN)と提携し、製造現場向けのIoTプラットフォーム「FIELD system」の構築を発表しました。その後、コアパートナーにNTTグループを加えた他、APIを公開し新たなパートナーを200社以上募り、展開を本格化。さらにJIMTOF2016では会場で機械メーカー80社、250台の工作機械をつなぎ、稼働状況の見える化を実現するなど、提携から実演までの圧倒的なスピード感を示した1年となりました。
2017年はこれらの動きを実導入に向けて加速させるとともに、「FIELD system」対応のアプリケーションや産業用PCなど対応機器群などを拡張していく方針を示しています。
2016年の総合トップは?
さて、ここまで2016年公開記事のランキングを見てきましたが、MONOist FAフォーラムの記事全ての中で2016年に最も読まれた記事は何なのでしょうか。
答えは「いまさら聞けない EtherCAT入門」になります。ここまでは2年連続で「ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】」が1位となってきましたが、2016年公開記事の1位になった「トヨタが工場内ネットワークでEtherCATを全面採用、サプライヤーにも対応要請」との相乗公開で一気に読者が拡大した形となります。特にトヨタに関連する部品メーカーなどは、対応せざるを得ないケースも出てくるため、関心が高まったといえるでしょう。
ちなみに「ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】」も2位を維持しております。連載「いまさら聞けない第4次産業革命」の「インダストリー4.0って何でこんなに注目されているの?」でも紹介しましたが、こうしたスマート工場化の動きが一気に現実化したのもドイツが仕掛けたインダストリー4.0の存在が大きかったことを思えば、注目が継続しているのも納得できます。
2016年はスマート工場化一色だったといえますが、2017年はどのような1年になるでしょうか。MONOistでは引き続き、スマート工場を含む製造現場の将来像について追い続けていくつもりです。
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