IoT活用サービスはどうすれば設計できるのか、日本ユニシスが初期段階をガイド化:サービタイゼーション
日本ユニシスは、同社の総合技術研究所を中心とする研究開発の取り組みを披露する「R&D見本市」において、IoT活用サービスの設計にも役立てられる「デザイン思考によるサービスデザイン」を紹介した。
日本ユニシスは2016年12月6日、東京都江東区の本社において、同社の総合技術研究所を中心とする研究開発の取り組みを披露する「R&D見本市」を報道陣に公開した。
同社は2006年に米国Unisysとの資本関係を解消(業務提携は継続)したのと同時期に、総合技術研究所を発足させた。その後さまざまな分野での研究開発を積み重ね、事業部や顧客などに向けて研究開発成果を披露する機会を定期的に設けていた。ただし、今回のように「R&D見本市」として報道陣に公開するのは初めてのことだ。
事業部との連携を始めている「デザイン思考によるサービスデザイン」
R&D見本市で公開された12の展示の中で、事業部との連携を始めている研究開発成果もいくつかあった。そのうちの1つが「デザイン思考によるサービスデザイン」である。
製造業がIoT(モノのインターネット)の活用を検討する中で、自社製品に適用してもうけを増やす「IoTのサービス活用」は重要な課題となっている。その際に、自社の技術や製品を生かしつつ、顧客の求めるサービスを設計するのは容易なことではない。
日本ユニシスのデザイン思考によるサービスデザインでは、ユーザーニーズを明らかにしサービスコンセプトを定義する「ステージ1」、技術/運用面の実現性を模索しベータ版の実験を行う「ステージ2」、販売、展開戦略を模索しローンチまで進める「ステージ3」の3段階に分けている。
このうち今回発表した研究開発成果はステージ1のガイド化である。事業化を担当する日本ユニシス アドバンスド技術統括部 情報統合技術部 UXデザイン室 担当マネージャーの小林誠氏は「IoTのサービス活用では、自社の技術や製品以上に、サービスの対象となるユーザーにとってどれだけのメリットがあるかが重要になる。ステージ1は、現時点でどのようなサービスにするかが決まってないゼロの段階から1にしていく最も重要な段階であり、これをガイド化することで、日本ユニシス内の事業にも、当社の顧客の事業にも役立つと考えた」と開発の背景を語る。
ステージ1は「コンテキスト調査」「ユーザー調査」「インサイト調査」「コンセプト探求」「検証」の5つのプロセスに分かれている。2016年10月にこれら5つの各プロセスで何を行うべきかをガイドとして文書化しており、現在は事業に適用する段階に入っているという。
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