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モノよりもうかる? サービス領域に対するIoT活用の考え方もうけを生む製造業IoTの活用手順(2)(1/3 ページ)

製造業で活用への注目が集まるIoT。しかし具体的な成果を生み出すために、どういった取り組みを計画すべきなのか戸惑う企業が多いはずだ。こうした製造業のIoT活用のポイントを解説していく本連載の第2回目では、サービス領域へのIoT活用についての具体的なアプローチ方法について解説していく。

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 前回は「製造業のIoT活用、他社に“差”をつける考え方」と題し、製造業におけるIoT(Internet of Things、モノのインターネット)の活用機会を4つの革新領域(生産革新領域、サービス革新領域、設計・マーケティング革新領域、経営革新領域)に分けて定義し、中長期のIoT活動プランを策定することの重要性について説明した。今回は実際にプロジェクトを進める際のポイントと、製品出荷後の「サービス革新領域」への具体的なアプローチ方法について解説していく。

 サービス革新領域は製品を販売した後、継続的に顧客とコンタクトを行うことで関係を維持しながら部品などを含めたアフターサービスで売り上げを確保し、さらに中古売買や次の新規製品への買い換え、マーケティングや次期製品の設計・開発につなげていくことなどが期待される領域だ。

 この領域ではIoTの活用により、製品が出荷されてから廃棄に至るまで、製品1台1台の情報を一元管理できるようにすることで、製品のライフサイクル全体にわたった情報活用が可能となる。つまり前回の連載でも解説したように、実際の世界(フィジカル空間)の機器・施設の情報をデジタル化してサイバー空間に取り込み、分析した結果をフィジカル空間に戻して活用するという「Cyber Physical System」(以下、CPS)仕組みが重要になってくる。これが新たな付加価値を生み出していくことになる。


図1 「サービス革新領域」への期待効果(クリックで拡大)出典:日立コンサルティング

 アフターサービスの領域というと、どの程度の収益につながるのかといった点が気になるところだ。製品1台当たりのサービス領域での売り上げは、対象製品によっても異なるが、中には数千万円する製品であるにもかかわらず、廃棄までにその製品1台分以上の利益につながるポテンシャルを持っているものもあるという。

 こうしたサービス領域の収益化は、IoTというキーワードが出てくる十数年前より建設機械業界をはじめとする一部業界がパイオニアとなって取り組んできた。昨今、製品機能・品質だけでは他社との差別化が難しくなってきている背景もあり、これらの業界以外の製造業でも取り組む動きが進み始めている。一方、これからサービス領域へのIoT活用に取り組もうとしている企業にとっては、どのようにプロジェクトを進めていくべきか、気になるところであるに違いない。

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