8つのプラットフォームで作る次世代モノづくり基盤、IVIの挑戦:IVI公開シンポジウム2016秋(1)(3/3 ページ)
「つながる工場」実現に向け、製造業、製造機械メーカー、ITベンダーなどが参加する「Industrial Value Chain Initiative(IVI)」は取り組みの進捗状況を紹介するIVIシンポジウムを開催。本連載では、同シンポジウムの内容を取り上げていく。第1回は“プラットフォーム化”へ踏み出したIVIの2016年度の取り組みについて紹介する。
活動を開始する8つのプラットフォーム
2016年10月〜2017年3月にかけては実際に8つのプラットフォームで活動を開始する。8つのプラットフォームは以下の通りである。
- 生産技術情報プラットフォーム:設計情報から生産ラインの構成を検討し、試作から量産までのプロセスに至る技術データを扱うプラットフォーム
- 現場情報管理プラットフォーム:生産現場で得られる品質データ、技能データ、稼働データをもとにQCD(品質、費用、納期)を日々改善するためのプラットフォーム
- 計画実績連携プラットフォーム:生産ラインにおいて工程進捗を管理し、計画変更や仕様変更など現場の状況に応じてダイナミックに対応するためのプラットフォーム
- 企業間連携プラットフォーム:企業間のサプライチェーンやエンジニアリングチェーンに必要なデータをセキュアに交換するためのプラットフォーム
- 企業まるごとプラットフォーム:中小企業向けに「売り」「買い」「作り」がつながり、生産管理で必要な機能をコンパクトにまとめたプラットフォーム
- 予知保全プラットフォーム:故障予知のために必要な関連データをメーカーやサイトを越えて管理し、必要な対策をとるためのプラットフォーム
- 設備管理プラットフォーム:設備の稼働データを活用し、総合設備効率を向上するとともに生産管理や品質管理ともつなげるためのプラットフォーム
- 保守サービスプラットフォーム:販売した製品の利用状況をモニタリングし故障時のサポートや予備品などを共同で行うためのプラットフォーム
プラットフォームについては2016年度は8つで開始するが、2017年度以降には拡大も検討しているという。ただ「8つのプラットフォームで活動を進め、今後はさらに増えてくると考えているが、それぞれが重複するような増やし方はしない。今後もそれほど多くはならないのではないか」と西岡氏は語っている。
プラットフォーマーは1次募集で9社
既にIVIの1次募集により、データ連携基盤を提供するプラットフォーマーとして、富士通や東芝、ソフトバンクなどの9社が応募。今後10月末までの2次募集を経て、2016年度の活動のプラットフォーマーを決定する。
今後は、このプラットフォーマーを含めて2016年末までにプラットフォームのパイロット実装を行い、実現可能性を検証。2017年3月までに本実装を行い、実際に業務上の高価を得られたかどうかを検証し「IVIプラットフォーム」の価値を測るとしている。
西岡氏は「2015年度も実証を含めたリファレンスモデル作りを行ってきたが、今回はプラットフォームの実装なので『動いた』というレベルでは満足できないと考えている。実際にIVIプラットフォームを活用したことで、コストや手間、時間などをどれだけ削減できたか、というようなビジネス価値や、過程なども評価していきたい」と述べている。
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