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「緩やかな標準」から「プラットフォーム」へ、IVIの新たな挑戦IVI公開シンポジウム2016(1)(1/4 ページ)

「つながる工場」実現に向け、製造業、製造機械メーカー、ITベンダーなどが参加する「Industrial Value Chain Initiative(IVI)」は設立から約1年となる成果について、シンポジウムで発表した。本連載では、同シンポジウムの内容を取り上げていく。今回は“プラットフォーム化”を目指すIVIの2016年度の取り組みについて紹介する。

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 2015年に6月に活動を本格化させた「Industrial Value Chain Initiative(IVI)」は、活動開始から約1年を経過し2016年3月10日に「IVI公開シンポジウム2016 - Spring -」を開催。20のワーキンググループ活動などIVIのここまでの活動内容を、4つのセッションでまとめて紹介した他、2016年度の活動の方向性などについて説明した。今回は、IVI理事長の法政大学デザイン工学部 教授 西岡靖之氏が今後の取り組みとした「IVIプラットフォーム計画」について紹介する。

日本版「つながる工場」を目指すIVI

 IVIは、日本機械学会生産システム部門の「つながる工場」分科会が母体となり、発足。発起人となった法政大学デザイン工学部 教授 西岡靖之氏が理事長を務める※)

※)関連記事:「つながる工場」実現に向けた“日本連合”の土台へ、IVIが設立総会を開催

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IVI理事長の西岡靖之氏

 狙いとしたのが、日本独自の「つながる工場」のリファレンスモデル(参考となるモデル)の実現である。既に、ドイツのインダストリー4.0や米国のインダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)の取り組みなど、海外で政府や業界団体などが中心となり、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)の活用による「つながる工場(スマートファクトリー)」実現への取り組みが進んでいる。しかし、海外のこれらのプロジェクトで目指しているものは、必ずしも日本の生産現場の実情に合うものではない場合もある。日本の製造業としての強みを出すためには、日本独自の「つながる工場」像を示さなければならない。

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IVI設立趣意 出典:IVI

 「つながる」を実現するためには、機器それぞれや生産ラインの組み方、上位のシステムとの連携方法など、さまざまな物事を標準化することが必要になる。それに沿う形の製品を用意することで「つながる」環境を実現するというわけだ。ただ、日本の製造現場は改善活動などを通じ、人を中心とした個別の進化を遂げてきたことが現場力につながり、強みとなってきた。1つの標準をトップダウンで落とすだけでは、日本の製造業には受け入れられない。

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