「さくらのIoT Platform」を知り、プロトタイプを試作する(3/7 ページ)
通信モジュールから通信網、データ処理の仕組みまでも一環提供する「さくらのIoT Platform」の詳細を解説。さくらのIoT Platformを利用し、湯温と動作の確認で利用者を見守る「みまもりポット」を試作します。
さくらのIoT Platformを使った、IoTデバイスの作成例
ご注意ください
本例は対象となる市販品のマイコン仕様が公開されていないことを受け、各種情報は搭載のマイコンとは別に、モーターや別途取り付けの温度センサーからArduinoを使用して取得し、さくらのIoT Platformへ送信しています。
また、本例は一時的なプロトタイピングを目的に実施しております。そのため、設計上の安全性は考慮されておりません。本例を元に同様のプロトタイプを作成する際には、基本的な構造を理解したエンジニア同席の下で、感電や出火等に注意して作業を実施ください。
「IoTみまもりポット」の作成
さくらのIoT Platformの実例として、給湯ポットを利用した「IoTみまもりポット」を作成してみます。これはポットの「温度情報」と(モーター回転から)「給湯時間」を計測し、“ポットが利用されているか”の情報を利用して宅内の見守りを行うというものです。
取得した情報は可読性の高いメッセージに変換し、そのメッセージをSlackの特定チャンネルに投稿することまでを目的とします。
用意するもの
センサーを用いて得たポットからの情報を通信モジュールに渡すため、今回はマイコンとしてArduino Microを用意しました。この他の部材としては湯温を取得するための温度センサーとモーターの回転情報を取得するためのリレー回路、それに抵抗、マイコン固定用部材などが必要となります。Webサービスとしては、さくらのクラウドアカウント(変換サーバ構築用、他社環境でも可能)とメッセージ出力先であるSlackのアカウントが必要となります。
センサーの接続
まずは温度センサーとモーター駆動時間測定用のリレーを接続します。温度センサーにはマキシムのDS18B20を利用しました。リレーは給湯モーターに接続し、動作中(給湯中)にはデジタルピンへ入力され、その時間が計測できるようにします。
Arduinoへは温度センサーをA0、リレーをD5にそれぞれ接続します。Arduinoは今回、Microを利用していますが、他のモデルでも利用できます。
マイコンと通信モジュールとの接続
先に述べたよう「さくらのIoT Platform」ではプラットフォームと閉域網を介した通信を実現するため、専用の通信モジュール「さくらのIoT通信モジュール」を提供しています。この通信モジュールとマイコンの間は、一般的な通信方式であるI2CとSPIを用いて情報の授受を行います。
今回の例において、実際に使用するのは通信モジュールへの給電を行う「+5V」「GND」、I2Cの通信を行う「I2C_SDA」「I2C_SCL」の4つのみです。ピンアサインは+5Vが12番、GNDが11番、I2C_SDAが9番、I2C_SCLが10番となります。通信モジュールのソケット(CN1)には接続した電線の対向となるZHR-12コネクター、必要に応じてソケット(CN2)にアンテナを取り付ければ主な接続は完了です。
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