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レスキューロボットで「優しく安全に素早い災害救助活動」の実現を目指す第16回レスキューロボットコンテスト(4/4 ページ)

災害対応にはロボット技術の活用が期待されており、研究者や技術者の育成を目的とした「レスキューロボットコンテスト」が毎年夏に開催されてる。ここでは2016年8月6〜7日に実施されたコンテストの概要と結果をお届けする。

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複数のロボットが連携し、ガレキの中から要救助者を救出する

メヒャ!
レスキュー工学大賞(レスキューロボットコンテスト計測自動制御学会特別賞)を受賞した「メヒャ!(岡山県立大学 ロボット研究サークル)」

 大会で一番名誉のある「レスキュー工学大賞(レスキューロボットコンテスト計測自動制御学会特別賞)」は、「メヒャ!(岡山県立大学 ロボット研究サークル)」が受賞した。

 同チームは、「優しい救助」をコンセプトの中心に添え、要救助者に優しいのはもちろん、ロボットオペレーターの負担軽減も考えてレスキューシステムを構築していた。「ダミヤンの気持ちになったら、ロボットで救助されるのは怖いと思った」そうだ。

 安全な救助を行うためには、死角を減らし、周囲の状況をオペレーターが把握する必要がある。そこで、各機体に前方カメラだけではなく、俯瞰カメラを搭載。ロボットの周囲360度の映像をオペレーターに送った。救助活動は必ず、ガレキ除去および安全確保のロボットと、ダミヤン救助のロボットがパディとなり2台1組で行う。

 それぞれ専門性の高い作業を2台のロボットにて分担することで、オペレーターの負担を軽減したのだ。家ガレキの中にいるダミヤンを救助する場合、補助機が倒壊しかかっている家屋を4号機が上下のアーム機構で固定し、安全を確保。5号機が、家の傾きに合わせて救助ベッドを差し込み、ダミヤンを救出していた。

 レスキュー工学大賞の選定は、応募時に提出したレスキューシステムをどのように実現したかがポイントになる。メヒャ!は、複数のカメラによる画像共有システムでスムーズな救助活動を目指した。予選、本選を通じて見事な救助活動を展開し、合計ポイントでも最高得点をあげた。コンセプト、技術力、組織力を総合的に判断されてレスキューロボット工学大賞を受賞した。

2台のロボットが息を合わせて、倒壊しかけた家屋の中からダミヤンを救出
2台のロボットが息を合わせて、倒壊しかけた家屋の中からダミヤンを救出
photophoto 前方のカメラや俯瞰カメラ、他ロボットのカメラを通じ、被災地の状況がオペレーターに伝わる

パドックでは、参加者同士の技術交流が盛んに行われていた。「六甲おろしシニア(神戸大学)」の自作移動機構「スパイラルドラム駆動(アルキメディアン・スクリュー)」が注目を集めていた

 レスコンはチームでロボットを複数台製作するため、個人での参加は難しい。そこで、1人でも出場できるように派生したのが「OECU杯 ヒト型レスキューロボットコンテスト 2016」だ。こちらは、二足歩行ロボットが段差を乗り越え、ガレキを除去して救助活動を行う。2016年は11月6日に大阪電気通信大学で開催される。参加費・観覧料は無料だ。

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