追い風を受けるOCF、IoTを取り巻く各社の思惑にも変化:IoT観測所(24)(2/3 ページ)
OICを前身とするOCF(Open Connectivity Foundation)とThread Groupの提携が発表された。OCFとっては大きな追い風だが、各団体の顔ぶれをよく見ると各社の思惑に変化が起きていることも伺える。
「Alljoyn」のAllSeen Allianceも順調
まぁそうしたきな臭い話は脇に置いておくとして、ではもう一方のAllSeen Allianceの方は?というと、こちらも順調に規模を拡大している。Member Companyは既に200社を超えており、Alljoyn User Groupへの加盟は600社を超えているとする。Meetupも盛んであり北米やアジア、ヨーロッパの他、日本でも既に3回実施されている。
MONOistでもLinux Foundationの橋本尚氏による記事(Raspberry PiにAllJoynを移植して、IoTを自作する )が掲載されており、こちらを読まれた方も多いかと思う。IOTivityもそれなりに充実してきているが、やはり先行する分AllJoynの方が一日の長がある。
2015年2月の時点ではCore 14.12が出て、この上でいろいろなサービスを開発中といった状態だったが、既に現在はCore 15.09/15.09aと、この上で動くBase ServiceとSegurity Managerが提供され、さらにはOnboaring、Notification、Configの各SDKやCode Generatorなどのリリースが完了している。Core/Base Serviceに限って言えば、2015年5月にCore v16.04が、8月にV16.04aがそれぞれ提供されており、現在はその他サービスやSDKが追いついてくるのを待っている状態である(Allseen Allianceの中核技術「Alljoyn」とは何か)。
この16.04、Full CoreはUbuntu 14.04 LTSとAndroid 5.0、OpenWRT Chaos Clamer、Windows 7&10をサポートし、現在iOSとOSXがテスト中、一方Thin CoreはUbuntu 14.04 LTSのみのサポートとなっているが、Ubuntuといっても実際にはRaspberry Pi 2で動作するレベルだから、それほどハードルは高くない。
ただ、今のところAllJoynとIoTivityがAPIを共通化するとか、両者を統合した標準化を行うといった話は出ていない。既にAllJoynは自身でのエコシステムが構築されているし、IoTivityも同様だ。この段階で新しいAPIを作るのは、せっかく2つのエコシステムが出来つつあるという機運を完全につぶしてしまう事になりかねない。さすがにこれは良い判断とはいえないだろう。
その代わり、というのも何だが既に両規格のブリッジが登場しつつある。ここでも最初に動いたのはMicrosoftである。既にWindows 10はAllJoynプロトコルを実装していることが知られているが、Build 2016ではこれに加えてIoTivityをサポートすることを明言。これをサポートするロードマップも示し、デモまで行ったのだ(Photo01〜03)。ブリッジを提供するのがMicrosoftだけというわけではないだろうが、何しろインストール台数が極端に多いOSだけに、家庭における相互接続性を確保するための最低限の準備はこれで整った、と考えても良いだろう。
Photo01:Windowd 10 Build 2016における「Windows in the Smart Home: The Internet of Things and UWP」というセッションより
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