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Allseen Allianceの中核技術「Alljoyn」とは何かIoT観測所(6)(1/3 ページ)

Linux Foundationが設立した非営利団体「Allseen Alliance」のキモとなるのが「Alljoyn」だ。IoTについて“現状の使いにくさ”の打破を目指す、この団体の中核技術を解説する。

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 今回ご紹介するのは、「Allseen Alliance」である。Allseen Allianceそのものは既に多くの記事が掲載されており、これらをお読みになった読者も少なくないと思う(「AllSeen Alliance」最新記事一覧)

 2015年1月にラスベガスで行われた2015 International CESではQualcommがAllseen Allianceの特別展示ブースを設けて実際に動作デモを行っている様子が石野純也氏のリポートの中でも紹介されている(スマートフォンとモノのつながりが加速する――2015 CESで見えた新しいトレンド)。ただ、その中核技術である「Alljoyn」に関しては、Snapdragonとの絡みの中で軽く触れられているだけなので、今回はAlljoynを主に説明する。

最終製品を手掛けるベンダーが主のAllseen Alliance

 Allseen Allianceは、Linux Foundationが設立した非営利団体である。設立は2013年12月と、他のIoT団体に比べると若干早めである。また当初のPremium MemberはHaier、LG Electronics、パナソニック、Qualcomm、シャープ、Silicon Image、TP-LINKといった、いわゆる組み込み系ソリューションを提供する会社とは一線を画しており、むしろ最終製品をリリースするメーカーが主になっている。

 現在はその数は更に増え、Premium Memberが11社、Community Memberが88社、Sponsored Memberが13社まで増加しており(MEMBER COMPANIES:Allseen Alliance)、母体であるLinux Foundationとの協業も継続しているから、かなり大きな組織と言って良いだろう。

 さて、そのAllseen Allianceの目標は?というと、現状の使いにくさの打破である(Photo01)

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Photo01 スマートフォン/タブレットは、特に家庭内におけるIoTではコントローラー兼Gatewayとして大きく活躍することになるが……アプリの乱立を招いているのが現状

 家電製品を初めとした様々な機器がインターネットに対応することで、直接、クラウドに接続できるようになっても、今度はそれをどうやって管理するかに関して、統一的な規格も無ければ適当なフレームワークも無いから、各社は勝手に自社製品向けのコントロールアプリを作って、これを経由して操作なり確認なりを行っているのが現状であり、結果としてアプリケーションの数が膨大になり、むしろ使い勝手を損なっている。

 こに対してAllseen Allianceが提供するのが「Alljoyn framwork」である。全てのの機器が対応することで、相互コミュニケーションが可能になり(Photo02)、各機器がよりスマートに接続されるようになる上(Photo03)、その先のユースケースもいろいろ考えられる(Photo04)という話である。ここまでの話は、実はその他の標準化団体が描いている構図とそう変わらない。

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Photo02 このレベルの話ではインテルなどが主導する「Open Interconnect Consortium」が言っている事と大して変わらない
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Photo03 具体的なネットワーク層についての規定は、実はAlljoynに含まれていない。ただ現状のターゲットはWi-FiやBluetooth、一部有線というあたりで、ThreadやZigBee/Z-Waveなどについては、今後の課題という事になっている
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Photo04 家庭内の様々なデバイスが連携して動くシナリオである

 Allseenが一歩先んじているのは、実際にこの中核になるAlljoynのインプリメントを手掛けている事だ。Photo05がAlljoyn Frameworkの概略である。これは非常にラフな図であるが、Alljoyn Framworkが3層構造になっていることが見て取れる。

 実は、このフレームワークは見て分かる非常に重い。少なくともMCU(Micro Control Unit)に乗るような規模の代物ではない。それもあってか、当初からStandard版以外にThin版も開発することが明らかにされている(Photo06)。Thin Appの場合、恐らくFramworkも必要となる特定のものだけを選んで利用する形になると思うが、後述するCore Release 14.12のThin Core LibraryのターゲットはUbuntu 14.04 LTS 64bitとWindows 7/8/8.1(64bit)となっており、取りあえずMCUなどは想定されていない。

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Photo05 AllJoynは既存のOSや物理層の上に実装される。全ての機器メーカーが必ずしもOSレベルからインプリメントしている訳ではない現状では、これは非常にリーズナブルな解だ
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Photo06 ただしThin版は全部の機能(主にDiscovery&AdvertisementやConnection周りであろうと想像される)が搭載されておらず、これらはAllJoyn Routerを併用してこちらに処理を任せる形になると思われる

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