5Gが達成を求められている、技術上のマイルストーン:SYSTEM DESIGN JOURNAL(4/5 ページ)
「第5世代移動通信(5G)」への期待と要求は高まっていますが、そのウイッシュ・リストの内容はさまざまです。リスト内容を取捨選択する(恐らく)最上の方法は、5Gについて考えているエンジニアが、既に少なくとも3カテゴリ存在するのを認識することです。
その一方、アンテナの近くにあるスマートベースバンドが会計業務のような事務管理を担当し、相互に直接ネゴシエートしてネットワークを管理するピア(peer)ネットワークを思い描く人もいます。
このコンセプトは、エンドポイントが直接的なピア・ツー・ピア接続を確立できるようにして、全ての人の携帯電話機を事実上、超小型のセルサイトに変えるところまで広がる可能性があります。もちろん、この両極の間には多くのオプションがあります。
トポロジーを選択する1つの要素は、ベースバンドと無線の間でデータを取得するフロントホールです。フロントホールは、イーサネット上でデジタル化した無線波形にIEEE 1904のような規格を使用して大都市圏のイーサネットで行うのが理想的ですが、データレートが極めて高くなる可能性があります。
Maiden氏は「今日、4×4 MIMOの無線ヘッドは20MHzのベースバンドでCPRI(Common Public Radio Interface)に5Gbpsを必要とします。送信または受信アンテナが128個あれば、5Gbpsは一気に160Gbpsに増えます」と述べています。大規模なMIMOと今日の大都市圏のネットワークで純粋なC-RANを実現するのは不可能です。
セルが小さくなるほど問題は簡単になります。ベースバンドのハードウェアが統合されてスループットが比較的低いのであれば、ローカルWi-Fiやセル中継塔接続など、利用できる媒体なら何でも利用して独自のトランポートを準備できます。純粋なピア・ネットワークでは、全てのノードが事実上、隣接ノードを使用してネットワークに戻り接続するため、この質問は無意味になります。
このようなネットワーク向けテクノロジーは有望なため興味を引きます。エンドポイントに目新しいものは何もありません。軍用レーダーの設計者には、マクロセル中継塔の大規模MIMOさえ古めかしいものです。未知の大きな問題は、厳しい電力バジェットの中、しかも基地局のネットワークエネルギーの大幅な低減が叫ばれる中でこのベースバンドコンピューティングの全てを処理する方法です。細心の注意を払ってASICを設計しても、半導体プロセスの改善だけでそこに到達することはできません。
未知の領域に入るネットワーク管理
もう1つの大きな未知の問題はネットワーク管理です。マクロセル中継塔、小型セル、場合によっては導入企業が設置した超小型セル、Wi-Fiハブ、さらにピア・ツー・ピア接続によってネットワークがますます複雑になる中、管理が人々の関心を引く問題になります。
目標は全てのユーザーがわずかなレイテンシで常に最大10Gbpsをオンデマンドでフル活用できることです。現実にあるのは、今日の4Gトポロジーと根本的に異なるネットワークです。5Gのノードは、地理的パターンではなくほぼランダムに配置できます。ノードが異なればサポートする周波数帯の組み合わせも異なり、ビーム形成能力のレベルも異なる可能性があります。
チャネル内の伝播は、季節、天候、時刻、予測不可能なイベント(誰かがドアを開けたりアンテナの前に立ったりするなど)によって変わります。また、当然ながらユーザーの多くは動いており、最も重要なものの中には自動車のようにかなりの速度で動くものもあります。集中制御であれ分散制御であれ、成功を収める接続管理と最適化アルゴリズムはまだ実証されていません。
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