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5Gが達成を求められている、技術上のマイルストーンSYSTEM DESIGN JOURNAL(5/5 ページ)

「第5世代移動通信(5G)」への期待と要求は高まっていますが、そのウイッシュ・リストの内容はさまざまです。リスト内容を取捨選択する(恐らく)最上の方法は、5Gについて考えているエンジニアが、既に少なくとも3カテゴリ存在するのを認識することです。

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IoTへの進出

 これまで、5Gユーザーは4Gユーザーと同じようにデバイスでアプリを実行し、かわいい猫のクリップから長編映画に至る動画をストリーミング配信し、写真やテキストを交換し、不審な電話をかけようとすることさえあると想定してきました。しかし、これとは全く異なるカテゴリのユーザー候補であるIoT開発者も、5Gで計画されている遍在性と帯域幅を物欲しそうに見つめています。

 多くの場合、インターネット接続と集約ハブの間、ハブとセンサーまたはアクチュエータの間にあるIoTの最後の数リンクは、実際的な必要性からワイヤレスになります。従って、既に設置されているワイヤレスネットワークを使用する動機は明らかです。しかし、IoT開発者は、異なる新しい一連の要件を、通信事業者の5G計画に重ね合わせて自分のニーズを満たそうと考えています。

 まず、IoT開発者は帯域幅よりレイテンシをはるかに懸念しています。データ処理機能を持たないセンサーとアクチュエータを対象にしてクラウドのアルゴリズムを制御するシステムを設計する場合、システム性能のパラメータであるラウンドトリップネットワークレイテンシが重要になります。1msを上限とする人もいます。ちなみに、ネットワークに接続された自動車や拡張現実ディスプレイなど、IoT以外のいくつかの重要なアプリケーションでもレイテンシが懸念材料です。

 次に、多くの場合、IoT開発者はネットワークではなくエンドポイントのエネルギーに強迫観念を抱いています。IoT開発者は、10年のバッテリー寿命を持つデバイスでも5Gネットワークを使用できるようにするか、またはエネルギーハーベスティングによってデバイスを維持できるようにする、デューティサイクルが極めて低い低速モードを要求しています。

 3つ目に2〜3例の災害を経験した結果、IoTは今日の携帯電話ネットワークが備えていない接続信頼性とデータセキュリティを要求しています。今日、政府機関に猫の動画のコピーを盗まれても気にする人はいません。ほとんどのユーザーは時折デバイスにある程度の一体感を抱きますが、暗号化アプリをインストールするほどプライバシーを重視していません。しかし、IoT攻撃によってニューヨークで停電が発生するとなると多くの人が気にします。

2020年末までに始まる「5G」

 IoT固有のニーズの3つのカテゴリは全て、それ自体ではなく携帯電話ネットワークにとって新しいという理由で課題です。今日の4Gは、レイテンシの最小化より接続の維持と幾つかのトークン帯域幅の提供を優先しています。サービスプロバイダーは、ユーザーがベンダーの乗り換えを準備する時点までレイテンシを犠牲にして使用率を達成します。

 しかし、さらに多くの小型ヘテロジニアスなセル間の切り替え処理中であっても、ネットワークはIoTユーザーのために広範なサービス品質要件を何とか実現する必要があります。

 エネルギーも同じように問題です。今日のネットワークは、セルサイトとエンドポイント間の連続サイドチャネル信号処理、状態モニタリング、大まかなロケーション追跡、チャネル・パラメータ測定に基づいています。

 このプロトコルでは、突然どこからともなく現れ、必要最小限のヘッダでデータの短いバーストを送信し、再び消えるエンドポイントにバーストから応答までの1msのレイテンシを期待する余地はありません。また、これらのニーズにより、携帯電話ネットワークは信頼性とセキュリティに関して全くなじみのない領域に入り込みます。

 課題は明確です。通信コンソーシアム、通信事業者、設備プロバイダーは適切な質問の定義、調査の実施、製品開発の開始を急いでいます。これらの取り組みが、LTE-Aに既に潜在するキャリアアグリゲーションのような機能の実現から始まり、段階的な配備に徐々に収束することが期待されます。その後、業界はさらなる機能を求めて進むでしょう。

 スケジュールは極めて不確定で、定量化されないリスクに満ちています。しかし、いかにも5Gと呼べる何らかのサービスが2020年末までに始まるのは間違いありません。任務は遂行されます。

(本稿はSYSTEM DESIGN JOURNALに掲載された「From Here to 5G: A Roadmap of Challenges」の翻訳です)

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