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三菱自動車はどのように走行抵抗値を測ったか、専門家も知らない独自手法?エコカー技術(4/4 ページ)

三菱自動車が燃費不正問題に関する3度目の会見を開いた翌日、日産自動車は三菱自動車に2370億円を出資することを公表した。ただ、社内の指示系統や、ユーザーや販売店らを対象とした補償など燃費不正問題で明らかになっていない点は多い。不正の核心について「“高速惰行法”などという言葉は存在しない」との指摘も飛び出した。

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「“高速惰行法”などという言葉は存在しない」

三菱自動車のいう“高速惰行法”の正体は
三菱自動車のいう“高速惰行法”の正体は (クリックして拡大)

 三菱自動車が言う「燃費不正」は、大まかに2点に分けられる。1つは、正規な惰行法ではなく“高速惰行法”を使い、そこで得られたデータを社内の知見によって「惰行法」に換算していたという点。

 もう1つは、計測をまったく行わず、机上計算で架空のデータを作ったという点だ。

 これら2点で、2点目については三菱自動車も「もってのほか」と認めている。

 そして1点目について、三菱自動車は「試験の工数を減らすなどの可能性があったと考えられるが、最終的なデータとしての差異はほとんどない。ただし、国の規定に反していたことは遺憾だ」と説明する。

 だが、ここで大きな問題がある。

 「“高速惰行法”などという言葉は存在しない。今回の報道で初めて聞いた。三菱自動車の社内用語であり、その詳細は不明だ」(交通研 自動車認証審査部 主席自動車認証審査官)というのだ。

三菱自の“高速惰行法”は米国の手法と本当に同じなのか

 この点について、筆者は5月11日の記者会見で指摘した。それに対して「これは米国でいま(正規に)使われているやり方」(相川氏)との返答があった。だが、交通研は、米国自動車技術会(SAE)が2008年3月規定した「Downcoast Method」(J2263)と、三菱自動車がいう“高速惰行法”は、「同じではないと思われる」と言う。

 三菱自動車は1978年から“高速惰行法”を採用していると言っており、当時の米国の手法を三菱自動車がアレンジしたものなのだろうか。

 5月11日の会見で、筆者は三菱自動車に“高速惰行法”のマニュアルの早期の開示を求めた。それに対して、曖昧なニュアンスではあるが「了解した」という態度を示している。

 5月18日に三菱自動車から国土交通省へ再度報告が行われる。記者会見は5月13日の立ち入り調査の件を含めて「荒れる」ことが予想される。そのなかで是非“高速惰行法”の詳細を公表してもらったうえで、技術的な議論を進めたい。

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