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三菱自動車はどのように走行抵抗値を測ったか、専門家も知らない独自手法?エコカー技術(3/4 ページ)

三菱自動車が燃費不正問題に関する3度目の会見を開いた翌日、日産自動車は三菱自動車に2370億円を出資することを公表した。ただ、社内の指示系統や、ユーザーや販売店らを対象とした補償など燃費不正問題で明らかになっていない点は多い。不正の核心について「“高速惰行法”などという言葉は存在しない」との指摘も飛び出した。

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走行抵抗値とは何か、なぜ自動車メーカーが測定するのか

 日本国内において、新車販売に伴う型式指定を受けるには、JC08モード燃費値をカタログ等に表示することが義務付けられている。その数値は、自動車メーカーが交通研の自動車試験場に車両を持ち込み、シャシーダイナモメーターを用いた台上試験を行い計測する。そして計測時の「負荷」として、走行抵抗値(空気抵抗と転がり抵抗)を入力する必要がある。

走行抵抗値は燃費や排ガスの測定に必要な数値
走行抵抗値は燃費や排ガスの測定に必要な数値 (クリックして拡大) 出典:三菱自動車

 走行抵抗値の計測については、二輪駆動か四輪駆動か、ターボチャージャーの有無、エアロパーツなどボディ仕様の有無などを踏まえて1車種の中に複数のグレードがあるならそれら全てについて計測する必要がある。人員数や試験場の敷地の広さを考慮すると、交通研の自動車試験場で全てを行うことは難しい。そこで「自動車メーカーを信頼して計測を任せてきた」(交通研 自動車認証審査部)という歴史がある。

実際に見た「惰行法」の中身

「ekカスタム(ekワゴンの仕様の一種)」の走行抵抗値を測定する様子が公開された
「ekカスタム(ekワゴンの仕様の一種)」の走行抵抗値を測定する様子が公開された (クリックして拡大)

 計測に使う惰行法については、国土交通省が交通研で走行抵抗値と燃費、排出ガスの測定を開始した5月2日に走行デモンストレーションを実際に見ることができた。

 とてもシンプルな内容だった。直線路を惰行し、時速90km〜20kmまで時速10kmずつ異なる8つの指定速度で、それぞれの前後時速5km幅での惰行時間を計測するというものだ。例えば、指定速度が時速70kmの場合、時速75kmから時速65kmまで速度が下がる時間を計測する。

 デモ車両には、GPSアンテナや専用速度計、専用ディスプレイ、PCが搭載されており、後席にいる係員が車内のデジタル速度計を目視しながら計測スイッチを押す。

運転席専用ディスプレイ 交通研が報道陣向けに公開した、走行抵抗値を測定する車両の内部 (クリックして拡大)

 今回の試験路は直線が1200mで、時速90〜20kmの8つの指定速度を一気に計測することはできず、指定速度時速90〜60km、時速50〜40km、時速30〜20kmの3つのパートに分けて実施した。「何パートに分けるかという規定はない」(交通研)という。その他、路面係数など試験路の詳細についての規定も特にない。

 ただし、走行抵抗に大きく影響する風については、直線路の方向に毎秒5m以下、その垂直方向に毎秒2m以下としている。また、気温については、規定に従って20℃相当に補正する。

走行抵抗値の測定記録。往復で計6回計測して、所定の計算式から算出する
走行抵抗値の測定記録。往復で計6回計測して、所定の計算式から算出する (クリックして拡大) 出典:交通研

 計測は、各指定速度で、風の影響を鑑みて直線の往路3回/復路3回で合計6回行い、その平均値を出す。それを、「(1.035×試験車重量)÷(0.36×平均惰行時間)」という計算式に入れて、走行抵抗値を求める。

 次に、X軸に8つの指定速度、Y軸にそれぞれの走行抵抗値を取った二次曲線を作成。ここで、指定速度時速20kmでの走行抵抗値を「転がり抵抗」と考え、速度の二乗に対する係数として「空気抵抗」を求めるという流れだ。

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