チタンの3Dプリントも! DMM.makeで「ミニ四駆ボディー」をとことん仕上げてみた:「ミニ四駆」ボディーを3Dプリンタで作ろう(3)(3/3 ページ)
連載「『ミニ四駆』ボディーを3Dプリンタで作ろう」では、前回シリーズで作成したミニ四駆ボディーの3Dモデルデータを使って、実際に3Dプリントするまでの流れを紹介。第3回では「DMM.make 3Dプリント」を利用した高品質/高精度な造形に挑戦。また、造形後の後加工についても紹介する。
後加工こそ3Dプリントの醍醐味!?
今まで造形方法や素材の違いによる多彩な3Dプリントの結果を見てきましたが、3Dプリントの醍醐味(だいごみ)は“後加工”にもあります。
「DMM.make」では、DMM.make 3Dプリントを活用した造形だけではなく、出来上がった造形物に対する後加工のサービスも提供しています。今回、後加工サービスの担当者さんにご協力いただき、先ほど紹介したSLS方式で出力したミニ四駆ボディーに、爬虫類を連想させるようなちょっと奇抜な塗装を施していただきました(図8)。こちらの画像からも分かる通り、造形直後はザラザラとした表面でしたが、ツルツルに磨き上げられて光を反射しています。
また、DMM.comさんが運営するモノづくりのためのコワーキングスペース「DMM.make AKIBA」(東京・秋葉原)では、多彩な作業環境も提供しており(図9)、工作機械、各種工具、基板実装、塗装など、モノづくりの工程を幅広くサポートしています。
爬虫類のような塗装はこうして行われた!
それでは、後工程のプロセスを簡単に見ていきましょう。まずウイング部分と本体を2つに分割します(図10)。
続いて、下地処理を行います。これは塗装の食い付きを良くするために必要な前処理となります(図11)。
次に、ひび割れの紋様となるクラック塗装を行います(図12)。今回は、本体とウイングに異なる色合いの塗装を施してもらいました。
その後、クリア塗装を行います(図13)。いかがでしょうか? クラック塗装後の状態からツヤ出しがされているのがよく分かると思います。
さらに研磨をかけることで、後工程が完了します(図14 左)。また、ボディー内部からLEDを光らせるギミックも仕込んでくれました(図14 中、右)。このLEDですがボタン電池のみでこれだけの明るさを得ています。実はこれも、パターン設計、自動切削装置で製作されたオリジナルのプリント基板に、高輝度の表面実装タイプLEDを高密度に実装したことで実現された、いわばDMM.make AKIBAならではの仕上げです。このように、電子工作などの知識と融合させることでさらなるオリジナリティーを追求できます。
さて、今回全面協力いただいたDMM.make 3Dプリントでは、さまざまな3Dプリントサービスを展開しており、選択できる素材もかなり豊富に取りそろえられています(図15)。
また少し先の話になりますが、2016年7月中旬に3Dプリントサービスの価格改定を行うそうで、これは公式Webサイト上でも小さく告知されています。担当者の情報によると、今回取り上げたようなミニ四駆ボディーをプリントする場合でも、“かなりリーズナブルな価格設定”になるようです。期待が膨らみます!
そんなDMM.makeでは、以前から「クリエーターズマーケット」上で3Dデータの販売・購入が可能でしたが、先日からDMM.makeのクリエイター陣が作成した3Dデータ(STLデータ)を無償ダウンロードできるようになりました。STL編集ツールを使えば、入手した3Dデータをオリジナルに加工して楽しむこともできそうです。
(取材協力:DMM.com)
以上、全3回にわたってミニ四駆ボディーを題材に、3Dプリントのハウツーなどを紹介してきました。3Dモデリング編から半年以上連載してきましたが、この間にさまざまなところでミニ四駆ボディーの3Dモデリング&3Dプリントという活動が盛り上がってきています(「Fabミニ四駆カップ」や「3Dプリンターでマイミニ四駆をつくろう! 親子工作体験教室」など)。筆者としては、こうした活動、特にパーソナルなモノづくりに参画する人が増えてきたことは非常に喜ばしいことだと感じています。読者の皆さま、長期間お付き合いいただきありがとうございました! (連載完)
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