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米独連携ムード中で気を吐いたIVI、日本らしい“緩やかな標準”をアピールハノーバーメッセ2016(2/2 ページ)

「つながる工場」実現に向け、製造業、製造機械メーカー、ITベンダーなどが参加する「Industrial Value Chain Initiative(IVI)」は、ドイツのハノーバーメッセで設立後初めてとなる海外での活動紹介を行った。

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インダストリー4.0とIIC、IVIはどこが違う?

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IVI理事長で、法政大学デザイン工学部 教授 西岡靖之氏

 講演では、これらの「ゆるやかな標準」などの独自性と、実際の20のワーキンググループ(WG)による活動内容などを紹介。さらに、日本政府が推進するロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)のIoTによる製造変革WG※)との連携している点なども説明した。

※)関連記事:政府主導の“インダストリー4.0”対抗基盤「IoTによる製造ビジネス変革WG」が始動

 特に聴講者の関心を集めていたのが、ドイツのインダストリー4.0や米国のIICとの比較である。こちらについては見方によりさまざまではあるが、ドイツのインダストリー4.0は、価値の源泉として「工場」を位置付け、「マスカスタマイゼーション(Lotsize1)」をキーワードに、「工場の未来の標準形」を作り上げることを目指す。一方でIICは、価値の源泉を「データ」と位置付け、「ビッグデータや人工知能」をキーワードに「産業用IoTによるビジネス革新」を目指すと位置付ける。

 これに対し、IVIは価値の源泉として「人の知識」を位置付け、「オープン戦略とクローズ戦略」をキーワードに「現在の生産手法から将来の手法への効率的なマイグレーション(移行)」を目指すとしている。

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産業用IoTにおけるインダストリー4.0とIIC、IVIの比較(クリックで拡大)出典:IVI

 今回のハノーバーメッセでは、パートナーカントリーとなった米国が、ドイツと標準化などで協力を進めていく方向性などが見えた一方で、日本とドイツもIoTにおける国家間協力の覚書(MOU)を締結するなど「つながる」という土壌作りについては一気に進んだ※)。ただ、そのつながった世界でどのような価値を重視するかは国や企業ごとによって異なる。製造業の世界では日本の位置付けは高く、その意味でIVIの講演や日本の製造業の関心については、多くの注目を集めた。今後は日本発の情報発信がより求められるようになると見られる。

※)関連記事:IoTで日独連携が成立、6項目で覚書締結へ



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