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Raspberry PiにAllJoynを移植して、IoTを自作する(4/10 ページ)
「いろいろなデバイスがシームレスにつながり、簡単に操作できる」――IoTが目指すその姿を、Raspberry Piと機器相互接続フレームワーク「Alljoyn」で自作してみましょう。
4.3 Duktapeの導入
ECMAScrpit(JavaScriptの標準)を解釈するコンパイラを導入します。Duktapeのバージョン1.2.1に対応しているそうです。もっと最近のバージョンでも大丈夫とは思いますが、まずは、ドキュメントに従います(私は1.2.3を使ってしまいました)。
alljoyn-jsをビルドするために、Duktapeを単独でコンパイルすることは不要(下記のalljoyn-jsでソースを一緒に、コンパイルします)なのですが、テストを兼ねて、ビルドします。
Duktapeのガイドに従って、ソースからコンパイルします。ダウンロードページから当該バージョンをダウンロードし、適当なディレクトリ(ここでは /usr/local/src とします)に展開します。流れとしては以下になります。
tar xvzfJ duktape-1.2.1.tar.xz cd duktape-1.2.1
以下のライブラリを導入します。
sudo apt-get install libncurses-dev libreadline-dev
次に、Makefile.cmdlineを編集し、以下の行のコメントを外します。
CCOPTS += -DDUK_CMDLINE_FANCY CCLIBS += -lreadline CCLIBS += -lncurses
コンパイルします。
make -f Makefile.cmdline
コンパイルできたら、テストします。
./duk ((o) Duktape 1.2.2 (v1.2.2) duk> print('Hello world!') Hello world! = undefined CTL-Dで終了します。 duk> Cleaning up…
4.4 ディレクトリの作成
AllJoynをビルドする際には前提となるディレクトリ構成があるため、必要なファイルをダウンロードする前に、ディレクトリを作成しておきます。適当な場所に下記のように作成します。
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