「Alljoyn」のいまをクアルコムブースで見る:ET2015
ET2015のクアルコムブースにて大きく展示されていたのは、機器相互接続フレームワーク「Alljoyn」のデモだ。機器連携シナリオ“ストーリー”の様子も紹介されている。
組み込み技術の総合展示会「Embedded Technology 2015(ET2015)」にて、クアルコムジャパンのブース正面に展示されていたのは、「Alljoyn」のデモだ。同社はAlljoynを推進する団体であるAllseen Allianceの中核メンバー(Premium Member)であり、企画策定にも深く関わっている。
Alljoynとは、OSや通信サービス、カテゴリ、ブランドの垣根を越えた相互接続性、管理機能を提供するフレームワークだ。当初はクアルコムによるプロジェクトであったが、現在はオープンソース化され、現在ではLinux Foundationが設立したAllSeen Allianceによって開発が行われている。
その目的はシンプルで、「いろいろなデバイスがシームレスにつながり、簡単に操作できる」世界の構築だ。接続やセキュリティなどを基本ライブラリとして用意し、機器に応じてサービスを実装、さらにその上層部にデバイスやアプリケーションが位置するという3層構造をとる。OSやネットワーク(伝送路)への依存がないことも特徴の1つに挙げられる。
デモではスマートフォンや家庭用スピーカー(パナソニック「SC-ALL2」)、照度センサー、エアコン(エミュレータ)などがAlljoynによって接続され、「暗くなったら電気が付く」「スマートフォンへ電話すると、“電話がかかってきました”とスピーカーからアナウンスが流れる」といった相互接続・連携の様子が紹介されていた。
機器連携のアクション、つまり、この「〜したら、〜する」という設定は“ストーリー”として設定できる。デモにはストーリー作成/操作アプリが用意されており、クリックしていくだけで機器間連携を設定できることもあわせて紹介されていた。
デモで紹介されている様子では家庭内での利用を想定しているように見えるが、Alljoynには近接ネットワークとクラウド(インターネット)を接続するゲートウェイも規定されており、このゲートウェイは単純なつなぎ込みだけではなく、許可したデバイスだけ遠隔からの操作を受け入れるといったセキュリティ機能も用意されている。
また、Alljoyn非対応の機器をAlljoynから制御するためのブリッジ(Alljoyn Device System Bridge)も既に開発されており、このブリッジを使うことで、現時点ではまだAlljoynが対応していない、BACnet(ビル用ネットワークのための通信プロトコル)やZ-waveの機器をAlljoynから制御することが可能となっていることもあわせて紹介されていた。
その他にもクアルコムジャパンブースには、「Snapdragon 410」を搭載したWindows 10 IoT Core対応開発ボード「Dragonboard 410C」や低消費電力型のTCP/IPスタック内蔵無線LANモジュール「QCA4004」(Qualcomm Atheros製)を搭載した、サイレックス・テクノロジーの「SX-ULPAN」、Bluetooth Smartを用いたCSRのメッシュ型ソリューション(CSRmesh)の紹介も行われていた。
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