Raspberry PiにAllJoynを移植して、IoTを自作する(3/10 ページ)
「いろいろなデバイスがシームレスにつながり、簡単に操作できる」――IoTが目指すその姿を、Raspberry Piと機器相互接続フレームワーク「Alljoyn」で自作してみましょう。
4. alljoyn-jsの移植
今回、Raspberry Piに移植するフレームワークは「alljoyn-js」と呼ばれます。これはAllJoynのThin Core FrameworkとECMA(JavaScript解釈プログラム)のDUKTAPE_DISTから構成されています。
ここから、具体的な移植の手順を説明します。
なお、紹介する手順には出典があります。ですが、最近では構成が変更になったことやRaspberry Piでのバージョン関係の問題、リンク切れなど読み替えるべきところが多くありますので、ここでは著者が実際にビルドした方法を説明します。
4.1 Raspbianの導入
これについて説明する必要は無いと思います。用意するSDカードは16GBが良いでしょう。いろいろダウンロードして、構築する為、途中で容量不足になると大変です。私が使用したRaspbianは2015年9月のバージョンです(関連記事:「Raspberry Pi 2」をイジリ倒す(基礎編1)、まずはOSを入れるのだ)。
インストールしたら、以下のことを忘れないでください。
(1)raspi-configコマンドで、SDカードの容量全部を使えるようにしておく。
(2)SSHでログインできるようにしておく。
(3)以下のコマンドで、最新版にしておく。
sudo apt-get update sudo apt-get upgrade
(4)インターネットに接続できるようにしておく。
4.2 環境整備
ここからはインストールガイドに従って、進めます。
次のコマンドで、必要なツールを導入します。
apt-get install build-essential libgtk2.0-dev libssl-dev xsltproc libxml2-dev
pythonのバージョンを確認します。
python --version
通常は、2.7系になっているはずです。3.0系は、使用できません。
SConsをインストールします。
apt-get install scons
OpenSSLをインストールします。
apt-get install libssl-dev
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