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Raspberry PiにAllJoynを移植して、IoTを自作する(2/10 ページ)
「いろいろなデバイスがシームレスにつながり、簡単に操作できる」――IoTが目指すその姿を、Raspberry Piと機器相互接続フレームワーク「Alljoyn」で自作してみましょう。
3. AllJoynフレームワーク
Alljoynのアーキテクチャ詳細はAllSeen Allianceのサイトでも紹介されていますが(Architecture|AllSeen Alliance)、以下で簡単に説明します。
AllJoynフレームワークは「アプリケーション」と「ルーター」から構成されます。アプリケーションとルーターは、相互にコミュニケーションを取り、アプリケーションはルーターを介して他のアプリケーションと連携します(図1)。
アプリケーションは実際のコード、Alljoynが提供するサービスフレームワークとコアライブラリから構成されます(図2)。
AllJoynフレームワークには、大きく分けて次の2種類があります。
- 1 Standard Core Framework: 比較的、強力なCPUの上で動作させることを想定した、ルーター機能や接続危機管理を含む全ての機能を実装。 以下、alljoynと呼びます。
- 2 Thin Core Framework: 比較的、小さいCPUでも動作することを想定してルーター機能等を省き、情報交換のみに特化して実装したもの。以下、ajtclと呼びます。
先ほども触れたよう、フレームワーク上に実際の機能を実装したアプリケーション(クライアント)を機種ごとに開発する必要があるのですが、簡単に実装できるようにした特別なフレームワークも用意されています。それが、次のJavaScript解釈機能を組み込んだThin Frameworkです。
- 3 Thin+Java Client: Thin Core FrameworkをベースにJavaScript解釈機能を持たせ、JavaScriptでアプリケーションを作成し、Android端末から制御できるようにしたお手軽なクライアントです。以下、alljoyn-jsと呼びます。今回は、これをRaspbery Piに移植したいと思います。
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