三菱自動車は「SUVと電動車で世界に役立つ」、2020年度までに14車種投入:電気自動車(2/2 ページ)
三菱自動車が今後の商品展開の考え方として「SUVと電動車で世界に役立つ」という方針を示した。中小型SUVとプラグインハイブリッド車や電気自動車といった電動車に開発リソースを集中する一方で、三菱自動車を代表するセダン「ランサー」の自社開発を中止することを決めた。
「パジェロ」は現行モデルを改良しながら生産/販売を継続
このSUVと電動車に注力する方針を基にした、2020年度までの車両開発計画も明らかになった。
SUVのうち小型については、2017年度に新たな車両を投入する。この新小型SUVは、現行の小型SUVである「RVR」よりも一回り大きくなる見込み。RVRについては2019年度に次期車を投入する。中型の「アウトランダー」は、2012年にフルモデルチェンジし、2015年に大幅改良を行っているが、2018年度に次期車を投入する計画だ。
一方、大型SUVの「パジェロ」は2020年度以降まで現行モデルを改良しながら生産/販売を継続する。また、2015年にフルモデルチェンジした、同じ大型SUVの「パジェロスポーツ」によってパジェロの需要層の一部をカバーしていく。そして、パジェロスポーツの次期車を開発するタイミングで、パジェロの次期車の開発も検討するとしている。
SUVと同じライトトラックセグメントのうち、ピックアップトラックは2014年度にフルモデルチェンジした「トライトン」の展開を続ける。MPV、いわゆるミニバンについては、「デリカD:5」の次期車と新開発の小型ミニバンを2017年度に投入する。
電動車は、SUVの次期車や新開発車について、プラグインハイブリッド車や電気自動車モデルを展開する予定。アウトランダーと新小型SUVはプラグインハイブリッド車を、RVRは電気自動車を予定している。また、現在「i-MiEV」を販売している軽自動車の電気自動車については「検討中」(同社)の状態で、市場投入は未確定だ。
これらの他にも2020年度までに、東南アジア市場で販売台数が多い小型車「ミラージュ」、ミラージュベースのセダン「アトラージュ」や、日産自動車と共同開発している国内市場向けの軽自動車は「eKワゴン」「eKスペース」、インドネシアで生産している商用バン「コルトL300」も次期車の投入を計画している。
2016年度は大きな動きはない模様だが、2017〜2020年度の4年間は総計で14車種を投入することになる。プラットフォームも軽FF、小型FF、中型FF、FRフレームの4つに集約される。そして三菱自動車としては「SUVと電動車で世界の役に立つ会社」を目指すという。
ただし、これらの開発リソースの集中と選択によって、ランサー次期車の自社開発を中止することになった。
三菱自動車が2013年11月に発表したルノー・日産アライアンスとの提携では、ルノーの車両をベースとする三菱自動車ブランドのセダン2車種を開発し、ルノーに製造を委託する計画だった(関連記事:三菱自がルノー・日産と提携、軽ベース小型車の共同開発やセダン生産委託を検討)。しかしこの計画は2015年1月に中止になったと報道されている。このため次期車は自社開発になったわけだが、結局それも中止になった。
今後のランサーの開発は、台湾でランサーを生産している中華汽車への開発委託などを検討することになりそうだ。
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