「アウトランダーPHEV」は「アウトランダー」の5倍売れるクルマに:電気自動車(1/2 ページ)
三菱自動車は、SUV「アウトランダー」とプラグインハイブリッドSUV「アウトランダーPHEV」のフロントフェイスデザインの変更をはじめ大幅改良を行う。中でもアウトランダーPHEVは、先進的な“プラグインハイブリッド車”から、“ラグジュアリーカー”への位置付けの変更が行われている。
三菱自動車は2015年6月18日、SUV「アウトランダー」とプラグインハイブリッドSUV「アウトランダーPHEV」のフロントフェイスデザインの変更をはじめ大幅改良を行うと発表した。改良モデルは、アウトランダーは同日から、アウトランダーPHEVは7月9日から販売を始める。税込み価格は、アウトランダーが251万9640〜321万1920円、アウトランダーPHEVが359万6400〜459万円。
大幅改良の目玉であるフロントフェイスは、同社の新コンセプト「ダイナミックシールド」の基でデザインした。力強さを表現するセンターのブラック部を左右から包み込むバンパーサイドの造形により「人とクルマを守る機能をダイナミックで力強い形として表現した」(同社)という。なお、ダイナミックシールドについては、2015年4月開催の「ニューヨークオートショー2015」で、北米向けアウトランダーを初公開した際に披露している(関連記事:「アウトランダー」がデザイン刷新、「Dynamic Shield」で力強さを表現)。
「アウトランダーPHEV」はラグジュアリーカーに
アウトランダーPHEVは、先進的な“プラグインハイブリッド車”から“ラグジュアリーカー”への位置付けの変更が行われている。アウトランダーとは異なる専用形状のバンパーエクステンションやサイドガーニッシュなど各所を車体色と同色に統一することで、「一体感のある上質でスポーティーなエクステリアデザインを演出した」(同社)とする。
さらに内装では、立体感のあるシートパッドと乗員の身体に沿うようなトリムラインを採用したシートにより良好なフィット感を実現。デザインのアクセントになるステッチをシートやドアトリムに配し、ドアトリムインサートにもパッドを追加した。加えて、本革内装のカラーとして“スポーティー”なブラックの他“ラグジュアリーな”ブラウンを追加した。
新デザインの4本スポークタイプを採用したステアリングホイール、「漆箱」をモチーフとした「日本の工芸品のような端正な美しさを追求」(同社)した新デザインの大型センターコンソールなど、アウトランダーにはない装備が多数盛り込まれている。
ハイブリッド燃費も8.6%向上
この他、サスペンションやショックアブソーバーの改良により操縦安定性と乗り心地を向上した。吸音材や遮音材、制振材やダイナミックダンパーの追加など30点以上の改良により静粛性も高めている。
さらに、アウトランダーPHEVでは、プラグインハイブリッドシステムの制御の最適化やエンジンのフリクション低減により、ハイブリッド燃料消費率(JC08モード)は従来比8.6%向上の20.2km/l(リットル)を達成した。モーター効率も向上しており、モーターだけで走行するEV走行距離(JC08モード)は同0.6km増の60.8kmとなっている。
アウトランダーPHEVは、アウトランダーにない装備も新たに追加されている。超音波センサーを用いたシフトやペダルの操作ミスによる急発進や後退を抑制する「誤発信抑制機能」だ。アウトランダーPHEVは、ミリ波レーダーと単眼カメラを用いた運転支援システム「e-Assist」を採用しているが、レーザーレーダーを用いた安価な運転支援システムにもある誤発信抑制機能を備えていなかった。今回は、4万3200円のメーカーオプションで用意されている。
駐車時などに、前後左右の車載カメラを使って車両上方から見ているようなサラウンドビューを映し出す「マルチアラウンドモニター(バードアイビュー機能付)」は標準装備となった(下位の「Mグレード」を除く)。カーナビゲーションシステムが標準装備の「G Navi Package」と「G Premium Package」はもちろん、「G Safety Package」でもルームミラーに組み込んだディスプレイにサラウンドビューを表示できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.